【北海道】空自千歳基地2空団(司令・德重空将補)と千歳救難隊は3月12日、千歳川で操縦者冬季水上保命訓練を行った。操縦者(戦闘機パイロット)15人に、指導する救難隊員などの支援部隊の隊員を加えた約60人が参加した。
訓練は毎年、夏は支笏湖(しこつこ)、冬は千歳川で実施。冬季訓練は例年、真冬の海への不時着を想定し、今年で41回目となる。戦闘機パイロットに漂流訓練をさせて、水上保命能力の向上を図るのが目的。
この日、雪解け水の影響で川の水温は4度。漂流を開始した後は、指導隊員3人が川の水を浴びせたり、浮舟を大きく揺らして転覆させたりするなど、起こりうる自然環境を再現し、あえて厳しい状況を作り出した。冷水が激しく流れる中、隊員はやっとの思いで浮舟に乗り込んだ。
30分の漂流に耐えたパイロットたちは「命を保つ難しさと厳しさを思い知った。絶対に生きて帰るという気持ちを強く持つことの大切さを実感した」と、震えながら話していた。