画像: 「領域横断作戦」の要に|陸上幕僚長

 新年おめでとうございます。皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 さて、我が国を取り巻く安全保障環境は、軍事力を強化し、活動を活発化する周辺国の動向に加え、テロ等のグレーゾーン事態への対応や宇宙・サイバー・電磁波といった新領域での戦い等、一層厳しさを増しております。

 このような中、昨年は「30大綱」等策定後の初年度として、奄美・宮古警備隊、機動師団・旅団、方面システム防護隊等の新・改編、訓練等を通じた海空自衛隊との統合の充実並びに日米共同の強化等により、抑止・対処の実効性を向上して参りました。加えて、各国との安全保障協力の推進を通じて「自由で開かれたインド太平洋」の実現に寄与し、我が国への信頼獲得に貢献しました。また、台風15号等への災害派遣、不発弾処理等により民生の安定に寄与し、10月及び11月には即位の礼において、任務を完遂しました。

 本年は、多次元統合防衛力の構築のため、地対艦ミサイル部隊等の南西地域への部隊配置の推進、第2師団・第5旅団の機動師・旅団への改編、サイバー・電磁波作戦能力の強化等の体制整備を着実に進めるとともに、日米共同訓練等により対処の実効性を向上させ抑止としての戦略的メッセージを発信する等の戦略的な活動を常続的に実施して参ります。加えて、日米同盟の更なる強化、安全保障環境の推進、民生の安定に向けた努力を継続し、「領域横断作戦の要」として、あらゆる事態に対応し、我が国の主権、領土、国民の皆様を守り抜く強靭な陸上自衛隊を創造する所存であります。

 新年にあたり、国民の皆様の負託に応えるため、改めて日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、本年が幸多い年となることを祈念申し上げ、ご挨拶と致します。


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