「いち、に、いち、に」――掛け声が川面に響く。茨戸川(北海道石狩市)で若手隊員が漕舟訓練に挑み、競技会では白熱した勝負が繰り広げられた。最後の力を振り絞る姿を写真で紹介する。
「いち、に、いち、に」――掛け声が川面に響く。茨戸川(北海道石狩市)で若手隊員が漕舟訓練に挑み、競技会では白熱した勝負が繰り広げられた。最後の力を振り絞る姿を写真で紹介する。
5月28日、茨戸川渡河訓練場で398、399施設中隊の若手隊員が、渡河や災害派遣に欠かせない技能の習得を目的に、初めて生地(河川)での漕舟訓練に挑んだ。「いち、に、いち、に」の掛け声を響かせて渡河ボートを操り、訓練後の競技会では最後の力を振り絞って激戦を繰り広げる彼らの姿を追った。
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【特集:第12施設群Vol.2】漕舟競技で白熱の勝負 若手隊員が技量競う
役割を理解し連携
渡河ボートは、かい手・ろ手・さお手・舫(もやい)手・舟長の連携によってまっすぐに加速し前進する。連携がわずでも乱れれば、速度は落ち、たちまち進行方向も乱れてしまう。訓練時、岸に近づいてしまったり接近してしまう場面も見られた。
乱れた進行方向を、ろ手が舵を切って修正し、正規ルートへ戻していく。
競技会で激突
訓練後、競技会が開催された。
スターターの合図とともに両チームが一斉にスタート。
櫓(ろ)と櫂(かい)を駆使し、すぐにトップスピードとなる両チーム。これまでの訓練成果を発揮し激しい勝負が繰り広げられた。
先行する398中隊。
それを追う398中隊。
折り返し地点までは398中隊が先行していたが、399中隊が猛追。
「追いつかれるぞ!」「後ろに来てるぞ!」「粘れ!粘れ!」
並走しているボートから、398中隊班員より激しい檄(げき)が飛ぶ。
隊員たちもそれに応え、最後の力を振り絞る。
399中隊の舟長、岡3陸曹も負けじと隊員に檄を飛ばし、最後の力をふるい立たせ、それに応える隊員たち。
疲労から落ちていた398中隊のスピードが再び加速。迫っていた399中隊を一気に引き離しそのままゴール。
398中隊が見事勝利を収めた。
競技会後、 勝利を収めた398中隊には、両中隊長から景品として冷たい飲み物が贈られた。
勝利には届かなかった398中隊にも、労いとして冷たい飲み物が手渡された。
最後までリードを許さず勝利を収めた398中隊
猛追も及ばず、惜しくも敗れた399中隊
全力を尽くし、声を張り上げ、最後の力を振り絞った若手隊員たち。歓喜と悔しさが入り混じった茨戸川の熱戦は、彼らの成長と結束を刻み込むものとなった。
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~おまけのひとコマ~
松村中隊長(当時)の想いを表した一枚の写真
松村中隊長は、訓練など、物事に取り組むときは明るく楽しく前向きに臨んで欲しいと日頃から伝えている。その中でも特に前向きに行動して欲しいとあった。
人は前向きさを欠いた状態では、「やらされている」という意識が先に立ち、学びとして吸収できない。前向きな気持ちで取り組むことで見える景色は変わり、結果的に自分の成長につながる。行動するからには少しでも成長することが大事だとしたうえで、「個々の“前向き”が集まればプラスの力となり強い組織になると信じている」と強く語った。