【新たな試みへ 統合研修①】軍種を越えて考える―最先任上級曹長らが学ぶ統合運用の現場|統合幕僚監部

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松永統幕副長の訓示に耳を傾ける研修参加者。初日の言葉は、1週間の研修を通じ実感として共有されていった


防衛日報 2026年2月4日付


    陸海空自衛隊の最先任上級曹長(最先任)らを対象とした「令和7年度(後期)最先任上級曹長等に対する統合研修」が1月13日から19日の間、東京・市ケ谷地区と目黒地区で行われた。

 

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真剣な表情で研修に臨む参加隊員たち


 研修は「統合運用」を念頭に、最先任に陸海空自衛隊が軍種の垣根を越えて、統合の視点を持って指揮官意図を体たいし、自発的に行動する意識を持たせる新たな取り組みで、統合幕僚監部が主催。最先任としての情勢認識、判断力、服務指導などの課題や考え方などについて、全国から選抜された参加者が真剣な議論を重ねた。


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松永統幕副長の訓示に笑顔がこぼれる最先任等


 研修には陸自、海自、空自部隊のほか、共同部隊などから24人が参加した。前期に続く2回目の実施で、既に最先任として上番している隊員のほか、今後その任に就く予定の隊員も含まれている。隊務への影響を考慮しつつ、1週間という可能な限りの期間を確保して実施された。

 

 近年、自衛隊では警戒・監視や各種事態対処、災害派遣などにおいて、複数の軍種が連携して行動する場面が増えている。昨年3月には、統合作戦司令部(JJOC)が創設され、陸・海・空自の部隊の一元的な運用体制が強化された。

 現場に根差しつつ、指揮官との橋渡し役を担う最先任に求められる役割も、従来以上に広がりつつある。

 

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弊紙新春インタビューで語った内倉統幕長


 内倉統合幕僚長は、「統合運用体制は新たな段階に入り、実効性向上が重要だ」(防衛日報1月6日付の新春特別インタビュー)との認識を示しており、最先任等の研修はこうした観点からも重要であるようだ。


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研修初日訓示で語りかける松永統幕副長


 初日の13日は、松永統幕副長が訓示に立った。「私はここ(統幕)に来て、制服の色を意識することはない。みんな同じ統幕の仕事をする隊員だ」。また、旅団長や師団長としての指揮経験から、「最先任は指揮官の片腕。指揮官であっても完璧な人間はいない。だからこそ、足りない部分を最先任に補ってもらいたい」と述べた。

 「最先任は常に模範であらねばならない、完璧でなければならない」と自らに課してきた参加者にとって、こうした言葉は肩の力を抜き、自身の役割を捉らえ直す契機になったようだ。


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真摯な表情で説明に聞き入る参加者


 この日は 統合作戦司令部の研修も行われた。参加者は司令部の機能や勤務体制、集約される情報の扱いなどについて説明を受け、統合運用がどのように成り立っているのかを学んだという。

 特に、情報収集や分析の中核を担っているのが陸海空曹の隊員たちであり、曹が主体となって運用を支えている点が強調された。部隊で実際にオペレーションに携わる曹士の長である最先任にとって、中央に集約された情報を通じ、自分たちの任務が統合運用の中で果たしている役割を俯瞰(ふかん)的に捉える機会となったとされる。

 統幕によると、部隊の現場と中央の取り組みがつながっていることを実感することが、今後の職務に向き合う意欲を高める一助になったという。


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【メモ①】

【最先任上級曹長】とは

 最先任上級曹長 陸自で曹・士の階級のリーダーとして、隊務全般に対して指揮官を補佐し、指揮官企図の徹底、服務指導などの役割を担う准尉や曹長。

    同様の役割を担う自衛官は、海自では「先任伍長」、空自では「准曹士先任」と呼ばれている。


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