司令「国家・地域の安心安全のために精進していこう」
式典では、観閲部隊指揮官(新納2陸佐)が駐屯地隊員の指揮を執り、観閲官、来場者に対し、都城駐部隊の威容を示した。
観閲官(石岡司令)は式辞で、「今後も厳しい訓練を通じ、練磨を重ね、いざという時に、国民の皆さま、地域の皆さまの期待に応え得る部隊・駐屯地でなくてはならない。今日に即動し、明日に備える。明日、いかなる事態が起ころうとも任務が遂行できるよう一丸となって国家・地域の安心安全のために精進していこう」と述べた。
その上で、招待者、来場者に対し「地域とともにある駐屯地を常に念頭に置き、全身全霊、魂を込めて任務を遂行することを改めてお誓い申し上げます」と固い決意を述べた。
引き続き、観閲部隊指揮官の号令で、部隊が隊列を組んで威風堂々と観閲行進・観閲飛行を行った。
その後、376施設中隊の隊員が重機を使用して「魂」の文字を書き上げる書道パフォーマンスと華麗なジャンプを取り入れたバイクドリルとのコラボを披露するとともに、3中隊を基幹とする航空機や16式機動戦闘車も運用した迫力ある模擬戦闘訓練展示を行い、観客からは大きな感嘆の声があがった。
そのほか、駐屯地内で都城市立五十市中学校と都城駐音楽部との合同演奏会、装備品展示、体験搭乗、ちびっこ広場(エアー遊具・バギーカー)、野外売店、㏚ブース(宮崎地本)などの催し物が行われ、駐屯地内は終日にぎわいを見せるとともに、天候にも恵まれた記念行事は盛会裏に終わった。
<編集部より>
開設、創設、創隊…と駐屯地では今年も、各地で節目の周年記念行事が行われました。部隊にとっては、気持ちを新たにする特別な日ですが、一方で、地域の人たちに来場してもらい、「自衛隊はどんなことをしているのか」というごく普通に知りたいことをまず、見てもらい、丁寧に伝えることで認識・納得してもらい、信頼につなげてもらうという意味で年に一度の最重要イベントの一つなのです。
そこで、本日(12月25日付)2面では、陸上自衛隊都城駐屯地の開設73周年・43普連創隊62周年の記念日行事を掲載しました。式典では、観閲行進をはじめ、観閲飛行、3中隊を基幹とする航空機などを運用した模擬戦闘訓練展示などなど、その威容を示したほか、来場者に強烈にアピールしたようです。
中でも、ユニークだったのが376施設中隊の隊員が重機を使用して「魂」の文字を書き上げる書道パフォーマンスと華麗なジャンプを取り入れたバイクドリルとのコラボでした。寄せられた写真を見るだけでも、大注目だったことがわかります。京都・清水寺での年末恒例の「今年の漢字」にも負けないほどの力強い「筆さばき(アームさばき?)」の写真はなかなか珍しい光景でした。迷うことなく掲載しました。
都城駐の公式Xによれば、今回のテーマはまさに、「魂を込めて 地域とともに」でした。「魂」一筆の披露だけでなく、「地域とともにある駐屯地を常に念頭に置く」という観閲官(司令)の言葉も含め、テーマをしっかりと体現した行事だったのではないかと思います。
防衛日報社は可能な限り、周年記念行事の報告を掲載するよう努めています。パレードあり、観閲式あり、訓練展示あり、そして来場者が楽しめる、趣向を凝らした催しがあり…と、内容的にはそれほど大きく変わるものではないかと思います。
それでも、その駐屯地や地域ならではの特色は随所に見られます。都城駐の「魂」のような内容があり、観閲式での観閲官(司令)の言葉もさまざまです。毎回、気になって入り込んでいます。今一度、隊員たちを奮い立たせるような厳しめの内容があれば、地域への感謝もまた、忘れていません。なるほど…といつも、背筋が伸びてしまいます。
HPを見ると、都城駐の歴史は古く、明治43年以来、旧歩兵第64聯隊、第23聯隊が入営し、古くから地元市民に親しまれてきたということです。
何よりも、「駐屯地所属隊員の約9割は、地元宮崎県および隣県の鹿児島県の出身であり、まさしく地域とともに歩む郷土の部隊・駐屯地である」というフレーズにもひかれました。地元出身者ならではの地域への思い。これもまた、駐屯地ならではの特色の一つといえるでしょう。
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