陸自と海自ブースに高校生がボランティアで参加
北九州港開港記念イベントへ自衛隊の艦艇が参加したのは令和元年度以来で、多くの艦艇ファンやイベント来場者などが艦艇見学を楽しんだ。
また、若松みなと祭りでは同艦の一般公開のほか、40普連によるカレーの炊き出しや装備品展示もあり、陸自と海自ブースに多くの来場者が訪れ、ボランティアとして支援した若松高校、若松商業高校、小倉商業高校の生徒たちとともに祭りを盛り上げた。
見学者からは、「将来は自衛官になりたいです」「日本周辺の安全を守っていただき、安心です」などの感想や激励の声を聞くことができた。
福岡地本は「今後も各種広報活動などを通じ、募集が厳しい社会情勢の中、創意工夫を凝らし、これまで以上に募集活動を推進していく」としている。
<編集部より>
「艦艇広報」は海上自衛隊の協力を得て艦艇へ乗艦し、内部を見学してもらう一方で、岸壁では装備品の展示なども行い、「陸海」のセットで自衛隊を、海上自衛隊をもっともっと知ってもらうために行うイベントです。
地本が取り仕切るケースもあれば、地元のまつりなどに参加することもありますが、とくに艦艇の公開自体は当然のことながら、一般人にはとても縁遠い空間。自衛隊ですから、なかなか内部を見ることは難しいからこそ、こうした試みは好きな人にはたまらないものとなってきます。
その艦艇が大好きな一人として、防衛日報の本日(11月22日付)1面から紹介するのは、福岡地本の報告です。「北九州港開港記念イベント」(門司港周辺)と「若松みなと祭り」(若松港周辺)の2つで実施された海自掃海艇「うくしま」の一般公開でした。
若松では陸上自衛隊40普連がカレーの炊き出しや装備品の展示を行い、艦艇ファンを楽しませていました。新聞では、報告とともに寄せられた写真を掲載しました。左に艦艇、右に展示の構図がイベントの趣旨、会場の雰囲気を一目で知らせてくれるいいカットでした。
広報とはいえ、機密保持のために見せられる部分という条件はつきますが、船体の迫力ある大きさはもちろんのこと、甲板で見る風景や操舵室、指令室などの「心臓部」(一部だけですが)、隊員たちの居住室(意外と狭いのには、ちょっぴり驚きます)などなど。艦艇にはそれぞれに役割や機能があります。参加者は乗組員からの説明を受けながら歩を進めます。まずはその艦艇に実際に乗ってみることのかけがえのない体験、それこそが重要なのであり、子供にすればそれまでの憧れが100倍も大きくなってくる。自分の経験からもそう断言してもいいほど、魅力がたっぷり詰め込まれたものなのです。
一般公開とともに、募集対象者らを対象にした特別公開も艦艇広報の大きな目的の一つです。相手は将来、自衛隊に入隊してくれそうな人といえるわけで、その人たちを招待して自衛隊に勧誘する上で欠かせないものといえるでしょう。
海自は、ひときわ大きな護衛艦のほか掃海艦、ミサイル艇、輸送艦、輸送艇、能登半島地震でも活躍した、海から直接、陸に上がることができるエアクッション艇などさまざまな艦艇を保有しています。各地の地本では、自衛隊への理解につなげるため、艦艇広報を実施していますが、一度、参加すると、違う艦艇に乗りたくなるというのも人情。艦艇広報イベントがあれば、全国どこにでも駆け付ける人たちも多くいると聞きます。
少しでも見て、聞いてその艦艇を知り、四方を海に囲まれ、どこから攻撃を受けるかもわからない地理的な特性がある日本列島の安全のため、艦艇が海上で目を光らせ、任務を続けているのだということに思いを馳(は)せてくれる―。思いが広がれば、艦艇広報の意義もますます大きくなります。
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