株式会社NHCは、東京都板橋区にあるミライ型の新聞販売店。社員にとって働きやすい職場環境を作るため、優れた取り組みを行っている企業として、「いたばし good balance会社賞」の受賞歴をもつ。新聞販売事業と並行して、2014年からは地域の困りごとを解決する「まごころサポート事業」を開始。事業が軌道にのっている今、自衛官OBの雇用に向けて動き出した。その理由と会社の現在・未来について、同社代表取締役の山口英司さんに話を伺った。
父の仕事を受け継いで始めた新聞販売業
新聞販売業を営む両親のもとに生まれた山口さんは、幼い頃から新聞配達をする学生さんや父親の仕事をする姿をみて育った。結婚を機に一生の仕事をどうするか考えた際、父の姿を思い出し、住宅メーカーから新聞業界に転職することを決意。8年間の修業を経て、2002年に創業した。幼い頃から新聞販売店の良い面も悪い面も見てきた山口さん。新聞販売のイメージを変えたい、目先の利益を求めるのではなく、感謝されるような仕事をしたいと奮闘する日々が始まった。
自衛官の職能を活かせる職場
デジタル化の波が押し寄せている昨今、新聞業界も例外ではない。それでも、毎日決まった時間に新聞が届くのを楽しみに待っている人も多くいる。「毎日ありがとう」「今日もご苦労様」、お客様の笑顔のために、雨の日も風の日も、確実に新聞を届ける使命を担っているのが新聞配達員だ。「毎日同じ時間に確実に新聞を届ける」ことは、簡単なようでとても厳しい。「今日も無事に全家庭に配達を終えられた」という達成感と喜びを日々感じることができる新聞配達は、自衛官として積み重ねてきた経験を活かせる仕事ではないかと、山口さんは考える。
「多くの自衛官の方が、働き盛りの55歳で定年退職されると聞きました。規律正しい生活を送ってこられた自衛官の方は、時間に厳しく、礼儀正しい。新聞配達は数百件の家を覚えて、届け先を間違えないようにしなければなりませんが、「業務に対する正確さ」も、自衛隊時代に体に染みついていると思います。そして、日ごろの鍛錬の成果により、健康で体力があります。そのような自衛官OBの方々は、当社には適任だと思います。是非、一緒に働きたいです。」
予備自衛官・即応予備自衛官も会社全体でサポート
有事の際や訓練の招集に積極的に参加できるように、会社として全面的にサポートすると山口さんは約束する。「現時点でも有給取得や他事業の対応をする時間を見込んでいるため、スタッフの数に余裕をもって雇用しています。そのため、招集で仕事を休む必要がある時も、その穴埋めをするスタッフは確保できます。」
社長として、自衛官OBや予備自衛官・即応予備自衛官の雇用に感じるメリットも大きいという。「仲間が国のために活動をして、それを自分たちが支えている、応援しているという雰囲気が、会社全体の士気を上げると思います」国防に関わるということは、目の前にいる地域の人たちを守るということにもつながる。山口さんは、今までにない新しい風が社内外に吹き、会社全体のみならず、地域ともより一体感が生まれることを期待している。
利用者数1000名超の「まごころサポート」
山口さんが力をいれているもう一つの事業が、幸せ創造事業「まごころサポート」だ。2014年、新聞販売店に、新聞販売以外の事業が認められるようになった。その時に始めた地域の困りごと解決サービスは、2024年で10年を迎えた。生活の中で困っているちょっとしたことを20分1000円(現在価格)で請け負うというこのサービス。電球の交換から庭木の手入れ、重い家具の移動など、依頼は多岐にわたる。「困った時に思い出していただき、相談される存在になろう」と、社員で想いを共有してきた。当初は月に数件だった依頼も少しずつ認知され、今では利用者は1000名を超えるほど地域から頼りにされている。「自分達でできる事はなんでもやる。できないことでも、解決法を提案することでお役に立てるように意識しています」と山口さん。
お客様に笑顔になっていただくことはもちろん、山口さんが大切にしていることはスタッフの幸せを創造することだ。「好きなこと・得意なことで人の役に立ち、仕事&人生を共に愉しむ」という会社理念が、新しい事業にもつながっている。まごころサポートの開始当時、家の掃除の依頼があった際は専門業者を紹介していた。その後、前職がハウスクリーニング業だったという社員の「自分たちでできるのでは」という一言から、社内研修をして皆で学びハウスクリーニング事業部が立ち上がった。
その頃から、「自分の好きなこと、得意なことで地域の人に喜んでもらいたい」という風が社内に吹き始め、トレーナーの資格を取った社員が健康教室やウォーキング教室を始めたり、麻雀が得意な社員が麻雀クラブを始めたり、輪が広がっていった。「地域の人に喜ばれる活動は何か。社員には自分で考えて実行して、うまくいかない苦しみも、成功した時の喜びも感じてほしいと思っています。」
自衛官OBである強みを活かして
自衛官OBの方が入社したら、得意なことをアピールしてほしいという。自衛隊時代に取得した免許や技術を活かして、何か新しいことができないか、伝えられる知識がないか、是非考えてみてほしい。例えば、救命救急講座や、避難所での過ごし方講習会。今いるスタッフが教えることもできるが、自衛官OBが講師というだけで説得力が違うと感じる人もいるはずだ。自衛官OBという経歴自体が、良い印象を与え、周りの人の信頼を得るきっかけになることもある。第二の人生を送る舞台として、周りの人に感謝される職場で、やりがいをもって働いてほしい、というのが山口さんの願いだ。
社長自身が積極的に考えを発信
相手のことを知るためには、まずは自分から声を上げるということは、ビジネスでもプライベートでも共通して言えること。2016年3月に創刊し、毎月1回発行している情報紙「ココナだより」は、先日100号を発行した。山口さんはその中に「グッチのコラム」というコーナーを設けて、自らの考えを積極的に発信し続けている。
「地域の人に信頼してもらうための一つのツールになっていると実感しています。会社のことはもちろん、個人的な話まで内容は様々ですが、地域の人に私自身を身近に感じてもらい、会社の雰囲気を伝える良い手段だと思っています。
また、毎日の新聞記事の中から、皆さんに教えたい役立つ情報を「グッチのイチ押し記事」としても紹介しています。
目標は、地域の人たちの困りごとゼロ+α
まごころサポートが10年続き、よろず相談会では地域の方からより深い悩み事の相談も寄せられるようになった。土地売買や相続など、悩みは十人十色。山口さん自身は「この方が幸せになるためにはどうしたらいいのか、どうしたら幸せを感じるのか」ということを考え続けることに、やりがいを感じている。
さらに一歩先を進むためには、どうしたらいいのか。山口さんには気づいたことがある。「困りごとがないだけでは、幸せを感じないこともありますよね。主体的なプラスαの喜びを感じた時に、幸せを実感できることもあります。」
今後展開していきたいのは、地域の人たちのマッチング事業だ。昔やっていたことに再び挑戦したい。自分の知識を誰かの役に立てたいと考えている人は、潜在的に多いのではないかと山口さんは考える。例えば、絵が得意でいつか教えたいという人と、絵を教わりたい人をマッチングする。バンドを組んで楽器を演奏したいと思っている人たちを結びつける。「私たち企業という立場ではできないことでも、地域の人がつながることで生まれる幸せは沢山あると思います。地域の人同士で助け合いながら生活できるような、基盤づくりのお手伝いをするためにはどのような方法があるのか、いま考えています。」
援護(再就職)の一助を担いたい
「ありがとう」と感謝されるような仕事を生み出し、その道のりを一緒に歩む仲間を求めている株式会社NHC。代表の山口さんは国を守る自衛官を尊敬し、OBを雇用することで援護の一助を担いたいと考えている。「まずは、自衛官OBの方に一人でもご入社いただき、その縁を繋いでいきたい。予備自衛官・即応予備自衛官には、心置きなく招集に応じて欲しいし、そのためのサポートは惜しみません」自衛官OBで初めてのNHC社員となる、新しいスタッフとの出会いを山口さんは心待ちにしている。
募集要項
求人内容 | 自衛官OB(予備自・即自、または目指す方歓迎) |
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雇用形態 | 正社員 |
基本給 | 204,688円 |
休日 | 週休二日制 |
仕事内容 | 各種新聞の朝刊・夕刊の配達等 |
配達エリア | 東京都板橋区、練馬区 |
問い合わせ | 03-6909-8555 (担当者:山口英司) |
株式会社NHC
大好きなこの街のために!挑戦し続けるミライ型の新聞販売店を目指す株式会社NHC。働くスタッフが幸せであることがお客様も幸せにできる。その理念のもと、新しいことに挑戦し続けるとてもアグレッシブな企業です。
〒179-0094
東京都板橋区成増1-7-22
TEL 03(5998)4714
FAX 03(3930)4551
Mail asa@nhc-a.jp