<神奈川>久里浜駐(司令・奈良岡陸将補)は8月28日、夏休み明けの登校時の交通事故防止、地域との協力・連携体制の強化を目的とした「夏のくりっこセーフティーデー」を実施した。
 
地域住民から「ありがとう」の声

 取り組みは、駐屯地所在部隊の曹友会員と横須賀市立久里浜小学校PTAが協力。通学路上の比較的交通量の多い交差点に分かれて立ち、通学する児童と元気にあいさつを交わしながら安全を見守った。

画像: 声をかけて見守り強化

声をかけて見守り強化

 地域の住民から「ありがとう」というお礼の言葉のほか、「自衛隊の皆さまの見守りがあり、心強い」という言葉をもらい、自衛隊への理解、親近感の醸成につながる実りのあるものとなった。


◆関連リンク
陸上自衛隊 久里浜駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/sigsch/

<編集部より>

 「おはよう!」「車に気を付けてね」-。夏休みが明け、新学期が始まった8月下旬、通学路上の交通量が多い交差点に迷彩服姿の男たちが並び、児童たちに声を掛けていました。 

 本日(9月20日付)の防衛日報2面で紹介しているのは、陸上自衛隊久里浜駐屯地所在部隊の曹友会員と横須賀市立久里浜小学校PTAが協力し、登校時の交通安全防止などを目的とした「夏のくりっこセーフティーデー」の活動です。児童たちにとっては、姿格好がちょっぴり怖いイメージの大人たちに見えるかもしれませんが、そんな屈強男たちがやさしく笑顔を見せて、声を掛けてくれれば次第に一人、また一人とうなずきながら元気な声であいさつする。そんな光景は、寄せられた写真にも表れています。

 「政府広報オンライン」にこんなデータがあります。警察庁が平成30年(2018)から令和4年(2022)に起きた交通事故を分析したところ、歩行中の小学生の死者・重傷者はこの5年間で2185人に上り、とくに1年生の歩行中死者・重傷者数は6年生の約3.2倍ということです。学校が始まると登下校時の交通事故が増えます。最も多いのは、が1、2年生で「魔の7歳」とも呼ばれ、注意が必要だとされています。この年頃は2つ以上のものに注意を向けることが苦手で、たとえば、信号に注目していたら、まず車には注意がいかないという特徴があることを指摘する専門家もいます。

 だからこそ、見守りは必要となります。久里浜駐のように、こうした活動を実施する地域は全国どこでも見かけられるでしょう。「主役」は高齢者が多いかもしれませんが、中には同じ年頃の子供さんを持つお父さん、お母さんたちも登場し、勤務前の一定時間、交通安全の黄色い旗を持ちながら児童たちに声を掛けている姿も拝見することもあります。

 児童たちもいつの間にか、仲良くなります。一時の会話を楽しむ様子、児童の頭をなでながらお孫さんと接するかのようにするおじいちゃんもいます。以前、陸自中部方面隊17普連が山口駐付近の通学路で小中学生の交通安全を確保するため、月1回「みまもり隊」を実施しているというニュースがありました。各地でも同様の活動が実施されていますが、個人的には児童たちにとって、親近感が大きなポイントかなと思います。それが自衛隊なら、隊員の外見と優しい言葉の「ギャップ」はそのポイントを大きくしてくれるのかもしれません。

 何よりも、自衛隊にとっては、地域との協力や連携体制の強化につながる大きなイベントの一つだと思うのです。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報9月20日付PDF


This article is a sponsored article by
''.