遊戯やトイレ介助、食事の補助
訓練は、緊急登庁支援一時預かり所の開設、運営要領について演練。駐屯地業務隊基幹要員の練度の向上を図るとともに、駐屯地登録隊員(子弟を含む)を通じて、問題点を把握し、部隊の即応態勢の維持、任務遂行に寄与することを目的として毎年度実施している。
駐屯地業務隊基幹要員は、当日の午前7時までに態勢を完了し、駐屯地登録隊員の受け付けを開始した。同8時から一時預かり所を運営し、遊戯、トイレ介助などを行い、昼食時には食事の補助をするなど、午後5時の子弟引き渡しまでの間、登録隊員から預かった子供の世話を行った。
今年度の緊急登庁支援訓練は、参加者が少なかったものの、駐屯地業務隊基幹要員は一時預かり所の開設、運営要領について確認し、所望の成果を得ることができた。
また、意見交換会では、現状の問題点を把握するなど、じ後の資を得ることができた。
<編集部より>
自衛隊では、武力攻撃事態を除く突発的事態(災害派遣など)で出動する際、隊員が後顧(こうこ)の憂いなく任務の遂行に邁進(まいしん)できるよう、隊員家族へのさまざまな支援を行っています。その一つが「緊急登庁支援」です。防衛日報の本日(9月10日付)2面ではこの支援に向け、丘珠駐屯地業務隊が8月23日に実施した訓練の様子を紹介しました。
全国の駐屯地では緊急に登庁する際、子供の預け先がなく帯同して登庁せざるを得ない隊員のため、こうした臨時の家族一時預かり所を開設するケースが増えています。丘珠駐でもこの日、隊員が安心して任務に従事できるよう、緊急登庁支援一時預かり所を開設し、運営要領を演練しました。
基本、対応するのは駐屯地業務隊の基幹要員です。いざという時、隊員の子供たちの世話をするのは大変なことです。仮に自分に子供がいる隊員であったとしても、環境の違いや知らない大人です。その子供の親でもないし、他人の子供の育児に慣れているとはいえないのが普通ではないでしょうか。
一般社会でも、よくある話です。子供を預ける保育園などでは子供は最初、なかなか慣れないで、親の元を離れようとしません。必然、泣いてしまうこともあるでしょう。自分にも経験があります。自衛隊員であっても親と子の関係は同じですから。
でも、訓練をしないことには始まらないというのも当然の理屈。預ける親の隊員のためにも、可能な限り、一つひとつの作業の確認はまた、とても重要なものでしょう。そのための訓練では、参加者は少なかったものの遊戯で遊ぶ、トイレの介助、昼食時の食事の補助など、午後5時の引き渡しまでの間、練度の向上に努めたようです。報告の最後のコメントに「所望の成果を得ることができた」とあり、その後の意見交換会でも現状の問題点を把握することもできたようです。
自然災害が頻発する日本列島です。自衛隊という特別な職業でもあり、夫婦共働きも今や、社会の中では普通のこと。親隊員は子供を預けることへの不安があり、預けられる側もまた、「うまく世話ができるだろうか…」という不安を抱えてしまいがちです。こうした双方の不安を払拭(ふっしょく)するために一時預かり所の開設などがあり、いざという時のためには必要不可欠な訓練です。
今回、丘珠駐から寄せられた写真には、クッションを多く置き、子供に配慮した1枚がありました。幼児なら余計、最大限の注意をしなければならないわけで、「こういう工夫も必要」と感じたショットでした。当然のことながら、新聞でも掲載させていただきました。
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