海上自衛隊の護衛艦「いずも」をドローンで空撮したとみられる動画がSNSで拡散した問題を受け、防衛省は今年度中にも自衛隊の重要施設に対策器材を導入する方針を固めた。吉田統合幕僚長が9月5日の会見で明らかにした。今年度はドローン対処の検証を進めており、来年度は導入先を広げる考えだ。

画像: 基地のドローン対策について説明する吉田統幕長

基地のドローン対策について説明する吉田統幕長

 

 吉田統幕長は、ドローンが「いずも」を空撮した事案について、「われわれとしては不断に基地の防護体制を見直し、強化をしていく必要がある」と強調した。防衛省は今年度にドローン対処の検証を実施しており、吉田氏は「今年度中には自衛隊の重要施設に導入したい」との考えを述べた。

 8月30日に発表された令和7年度予算概算要求には、ドローン対処の器材導入費用に84億円を要求。違法ドローンの探知・識別・対処を可能とする新たな対策により、基地の警備能力を高める。来年度は導入先をさらに広げる方針。

 吉田氏は「これによってドローン対処能力の実効性は高まる」と期待を寄せる。

 動画は横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中の「いずも」をドローンから撮影したとされ、3月26日に中国の動画投稿サイトに投稿された。防衛省は5月9日、動画は実際に撮影された可能性が高いと結論づけている。中国の投稿動画サイトに投稿された動画はすでに削除されている。


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