能登半島地震の自衛隊による災害派遣活動が、8月31日に終了した。地震災害としては過去最長となり、延べ114万人が活動にあたった。発生から244日におよんだ活動。人命救助や行方不明者の捜索、孤立地域などからの救出は1000人以上、最終日まで続いた入浴支援は49万を超える人たちの心を癒やした。その活動実績を9月2日、統合幕僚監部の最後の発表を基に振り返る。

人命救助、生活支援、官庁間協力、米軍との連携…
データで見る延べ114万人の奮闘

【派遣規模】
 ・人員=延べ約114万人(最大時約1万4000人態勢)
 ・航空機=延べ約4600機(同約110機態勢)
 ・艦艇=延べ約350隻(同10隻)
 ・統合任務部隊を編成(1月2日~2月2日=編成解除後は陸自中部方面隊を中心に活動)
 ・即応予備自衛官、予備自衛官の招集(1月8日~2月2日)(即自・約180人、予備自・約20人)

【派遣部隊】
 ・陸自=中部方面隊、陸上総隊の一部、北部方面隊の一部、東北方面隊の一部、東部方面隊の一部、西部方面隊の一部、大臣直轄部隊など
 ・海自=舞鶴地方隊、自衛艦隊の一部、呉地方隊の一部、佐世保地方隊の一部、大臣直轄部隊など
 ・空自=中部航空方面隊、航空総隊の一部、北部航空方面隊の一部、西部航空方面隊の一部、航空支援集団の一部、航空教育集団の一部、航空開発実験集団の一部、大臣直轄部隊など

画像: 人命救助、生活支援、官庁間協力、米軍との連携… データで見る延べ114万人の奮闘

【人命救助】
 ・人命救助・行方不明者捜索、孤立地域などからの救出(1月1日~2月23日=約1040人)
 ・患者の輸送(1月2日~30日=約720人)
 ・2次避難支援(1月10日~22日=約780人)

【官庁間協力】
 ・警察の輸送(1月2日~3日=約190人)
 ・消防の輸送(1月2日~5日、8日=約80人、大規模震災用高度救助車4両)
 ・内閣府調査チームおよび現地対策本部要員などの輸送(1月2日~4日、2月24日=約60人)
 ・国土交通省の重機などの輸送(1月14日)=重機1両、ダンプなど13両
 (※その他、DMAT・TEC-FORCEなどの輸送も実施)

【生活支援】
 ・物資輸送(1月1日~3月28日)=毛布(約1万9000枚)
 ▽燃料=約23万4000リットル
 ▽食料品=約426万6000食
 ▽飲料水=約233万4000本(500ミリリットル)
 ・給食支援(1月4日~4月13日)=約25万9000食(最大時24カ所)
 (※富山県における給食支援=1月5日~9日=を含む)
 ・給水支援(1月2日~4月30日)=約6400トン(最大時111カ所)
 ・入浴支援(1月6日~8月31日)=約49万6000人(最大時18カ所)
 ・医療支援(1月3日~3月31日)=約690人(最大時19個チーム)
 ・道路の啓開(1月2日~2月13日)=約33.44キロ(最大時10個地域)
 ・倒壊家屋、土砂など(輪島市、珠洲市)の除去(1月4日~2月12日)=家屋56カ所、落石の除去8カ所、土砂など1万3989平方メートル
 ・民間船舶「はくおう」の休養施設としての利用(1月14日~3月30日)=約2650人
 ・民間船舶「ナッチャン」の休養施設としての利用(1月14日~3月30日)=約2200人
 ・慰問演奏(1月20日~2月1日)=14カ所

【米軍】 
 ・米軍輸送機による物資輸送支援(1月17日~19日)=UH60 2機(食料品約3820食など)

【主な活動市町】
 ・珠洲、輪島、七尾、氷見各市、能登、穴水、志賀各町

令和6年能登半島地震・石川県の被害状況
(8月27日午後2時現在、同県まとめ)

【死者】339人(うち災害関連死110人)
【負傷者】1211人
【行方不明者】3人
【住家被害】8万3432棟
【避難者】市町1次避難所=398人
 ▽広域避難所=39人
 ▽県避難所=(1)1.5次避難所(スポセン)17人(2)2次避難所(旅館・ホテルなど)321人

【防衛日報からのおことわり】
 能登半島地震における自衛隊の災害派遣活動の終了に合わせ、統合幕僚監部の発表を基に、発生直後から8カ月間にわたって活動状況などを紹介してきた「能登半島地震」は本日で終了します。また、「石川県の被害状況」も最後となります。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報9月5日付PDF


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