石川県の馳(はせ)浩知事は8月30日、能登半島地震の被災地を支援してきた自衛隊に対して、撤収を要請した。陸上自衛隊は珠洲市で被災者のために入浴支援を続けてきたが、31日に活動が終了する。県によると、派遣期間は244日で地震災害では過去最長となった。

 馳氏は県庁で、陸自10師団副師団長の兵庫陸将補に要請書を手渡し、「元旦から8月31日までの長期間、支援活動をしていただいた」と感謝の思いを伝えた。

 統合幕僚監部(統幕)によると、珠洲市の入浴支援については断水が改善したほか、民間事業者の入浴施設の再開により、支援ニーズが解消したという。地震災害では、これまでの自衛隊の派遣最長は東日本大震災の174日だった。

画像: 陸自中部方面後方支援隊などが珠洲市で入浴支援をしていたが、8月31日で活動が終了する(提供・統幕)

陸自中部方面後方支援隊などが珠洲市で入浴支援をしていたが、8月31日で活動が終了する(提供・統幕)

 自衛隊は地震が発生した1月1日に県からの派遣要請を受け、同2日には陸自中部方面総監をトップとする陸海空3自衛隊の統合任務部隊(JTF)を編成。地震の影響で海底が隆起しており、艦艇が港に入港できない中、エアクッション艇「LCAC(エルキャック)」で物資や人員を輸送したほか、陸路が寸断され、ヘリコプターで空からの支援も実施した。 

 1日最大1万4000人規模で人命救助や給水などの生活支援を行い、延べ100万人超を派遣した。


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