齋藤海上幕僚長は7月23日、就任後初の定例会見に臨み、海自の一連の不祥事を受け、「勤務目標として『誠実』を掲げた」と組織の立て直しへの決意を表明。日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなっている中、日米豪などの同盟国・同志国と連携して、「海上防衛の任務にあたっていく」と語った。
勤務目標に「誠実」を掲げた齋藤氏は、「国民の負託に応え、任務や業務を完遂するには各人の職責に対する誠実さが必要だ。隊員一人ひとりが自分の仕事に誠実に取り組まなければならない」と国民の信頼回復に向け、注力していく考えを述べた。こうした中、一連の不祥事の再発防止を図るために今後、臨時の指揮官会議や先任伍長会議を開催するとも表明した。
また、齋藤氏は海幕長就任の決意として、「私は4万3000人を超える隊員とともに、国家国民のため、海上防衛の奉仕者であるという海自の原点を忘れることなく、自らの職責に誠実に取り組んでいく」と訴えた。 その上で他国との連携強化にも触れ、「日米同盟を踏まえ、海軍種の強力な関係をさらに構築していきたい。日米豪の枠組みも増えてきており、積極的に取り組んでいく」と説明した。
一層厳しさを増す日本の周辺海域の現状については、「南シナ海ではフィリピンと中国の衝突に加え、台湾海峡の緊迫化もある」と指摘した。さらに、南シナ海で中国と衝突しているフィリピンについては「訓練や教育などを通じて交流を図っていきたい」とも話した。
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