厳しい基礎訓練間に行われる特別の体力評価に合格し、行動訓練へと駒を進めた隊員たちは、行動訓練開始式で教育隊長(富田1陸尉)から、(1)自分に負けるな(2)チームとして成長せよ(3)自分の安全は自分で守れ-の3点の教えを受け、過酷な行動訓練に臨んだ。
![画像: 空からヘリにより示されたポイントでリぺリングを行う隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/db04f38d831eb95c4a9460f46ee2a0f7bf077706_xlarge.jpg)
空からヘリにより示されたポイントでリぺリングを行う隊員
![画像: 目標地点へ向けて潜入開始](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/0f34856fbd9ed92f03d54640616347e484e1f165_xlarge.jpg)
目標地点へ向けて潜入開始
数次にわたって行われる行動訓練は、任務遂行中はもとより、駐屯地で次の任務に向けた整備や準備をしている時すべてが緊張の連続の中で行われる。回を重ねるにつれて厳しくなる任務内容から食事・睡眠が制限され、体力・気力が限界を迎える極限状態の中、見事、最終想定を終えた隊員は、歴代受け継がれるレンジャー旗を掲げ、善通寺駐へ帰還した。
![画像: 第14旅団各部隊による戦闘隊の出迎え](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/e51b85feb7572618a3936704d64c48ee4eec6d16_xlarge.jpg)
第14旅団各部隊による戦闘隊の出迎え
![画像: 旅団長に対し帰還報告を行う隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/80a7815c2f169fae082a6808444cbd739e363e5b_xlarge.jpg)
旅団長に対し帰還報告を行う隊員
旅団長は、新たに誕生したレンジャー隊員に対し、3カ月の苦労や努力をねぎらうとともに、これからもより一層の飛躍を期待し、「旅団レンジャー隊員としての誇りを堅持し、練成を継続せよ。部隊長をはじめ部隊隊員、同期およびご家族に感謝せよ」を要望した。
![画像: 状況終了を宣言する旅団長](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/a98bff470bb39abd97ad53e40082e952caabca86_xlarge.jpg)
状況終了を宣言する旅団長
![画像: 旅団長からレンジャー徽章を授与される隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/dfc55b90a9c7a777ba35c304f2542bca20c9ec23_xlarge.jpg)
旅団長からレンジャー徽章を授与される隊員
帰還報告を行った戦闘隊は、大場旅団長より最終想定の状況終了宣言を受け、晴れてレンジャー徽(き)章を授与された。
![画像: 指導部一人ひとりとの握手](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/dd3ca9076ad2be560715fabb813a644395de956f_xlarge.jpg)
指導部一人ひとりとの握手
![画像: 指導部の労いの言葉に感極まる隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/6cd96fcc5a85bfad10296af8f59c29328092be47_xlarge.jpg)
指導部の労いの言葉に感極まる隊員
![画像: 念願のレンジャー徽章を手にじっと見つめる隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/fb2c97ccb8018c9483f0012bdab88b7e1df99d1f_xlarge.jpg)
念願のレンジャー徽章を手にじっと見つめる隊員
![画像: 仲間の搭乗間、周囲を警戒する本馬場3曹](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/b98f83874a5fa12dce4cc1615814adddfabb30f0_xlarge.jpg)
仲間の搭乗間、周囲を警戒する本馬場3曹
![画像: 指導部の労いの言葉に感極まる本馬場3曹](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/112df6dc91029da12794139c61ca173e5ba5671d_xlarge.jpg)
指導部の労いの言葉に感極まる本馬場3曹
陸自で最も過酷な訓練といわれる「レンジャー訓練」を自ら志願し、肉体的・精神的に厳しい訓練を乗り越え、憧れのレンジャー隊員となった各隊員はさまざまな現場で、最も困難な任務に投入される。
![画像: 家族・部隊からの激励を受ける隊員](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/07/03/1591ab9a130f051a35df3ee396b7a745510cb9c6_xlarge.jpg)
家族・部隊からの激励を受ける隊員
14旅団は「レンジャー隊員としてのスタートを切った隊員は、期待される任務に結果を出せるよう錬磨を続けます」としている。
<編集部より>
陸上自衛官の中でもほんの一握りの者だけがなれる「レンジャー隊員」。高いハードルの素養試験をクリアし、ハードな教育課程を修了した隊員にだけ陸自最強の証しであるレンジャー徽(き)章が授与されます。
過酷なレンジャー教育課程を終えて駐屯地に無事、帰還し、徽章を旅団長から首にかけられた若き精鋭たちの姿には、親でも親族でもないのに現場にいなくても部隊からの報告と写真があれば、いまだに熱くこみ上げるものがあります。
防衛日報の本日(7月4日付)の2面では、14旅団が実施した「集合教育『レンジャー』」の帰還式の様子を写真をふんだんに使用し、大きく展開しました。多くの隊員が出迎える中、善通寺駐屯地に「生還」、徽章を授与され、ねぎらいの言葉に涙し、家族らとの再会…。豊かな表情と現場の雰囲気がよく伝わる写真計4枚です。すべてがいいカットでした。
基礎訓練、体力練成、小銃を持っての10マイル走、そして山中での行軍と作戦の実行に。休憩はほぼなし、食料も自力での現地調達、ヘビやカエルも料理し、学生たちは2人1組となって常に同じ行動を取る…。
私事ですが、以前、取材で3日間だけ同行したことがあります。目の前で繰り広げられた光景は、正直、過酷ウンウンを超えるものだった記憶がありました。今回の14旅団に参加した隊員たちはそんな状況の環境を3カ月も続け、無事に戻れたわけです。安堵(ど)感や達成感にこの時ばかりは精いっぱい、浸っていたことでしょう。
旅団長の「誇りを堅持し、練成を継続せよ」の言葉はとても響きます。「よくやった」と健闘をねぎらいつつも、「これからだぞ!」と前を見据えることを伝える檄(げき)が自衛隊の自衛隊らしさでもあると思うのです。報告にもあるように、レンジャー隊員は今後、さまざまな現場で、最も困難な任務に投入されるわけです。喜びに浸ってばかりはいられませんが、この日ぐらいはどっぷりと浸(つ)かってもいいと思いますよ。
ちなみに、レンジャー徽章について少し調べてみました。徽章には「勝利」の象徴である月桂冠と、「堅固な意思」の象徴であるダイヤモンドがデザインされているようです。厳しい訓練に勝ち、強く、堅く、たくましくあってほしいレンジャー隊員です。なるほど、と思いました。
他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。