陸上自衛隊は今月、各広報実施担当官を対象した動画コンテスト「ムービー・オブ・ザ・イヤー」(MOTY)を開催する。広報用動画の作成、発信を通じ国民、同志国などの陸自に対する信頼と協力の獲得と、審査、優秀作品の表彰により、隊員の動画作成技術の向上を図るのが目的。

テーマは「強靭な陸上自衛隊の創造」
作成通じ国民らの信頼獲得

 陸幕広報によると、応募作品のテーマは、「強靭(きょうじん)な陸上自衛隊の創造」。動画は陸自の取り組みを紹介するもので、昨年1月から同12月までに撮影した動画を使用し、2分30秒以内の作品としている。

 参加範囲は、各広報実施担当官。陸上幕僚長、一般視聴者、動画制作に携わる部外有識者が審査員を務める。

審査期間 1月22日(月)~2月9日(金)※予定

 審査は1月22日(月)から2月9日(金)まで行い(予定)、審査員所定の基準などにより、相対評価で採点する。

 また、一般視聴者は応募作品を「YouTube陸上自衛隊広報チャンネル」にて視聴が可能。獲得した「高評価」が点数化される。

 各審査員による評価の合計点数が最も高い作品を最優秀作品として選出するほか、「陸上幕僚長賞」を設定。1月15日(月)以降、開催予告や一般視聴者による評価を開始し、審査結果などを陸自各SNSアカウントで発信する予定。

 審査結果は2月13日(火)以降、最優秀作品賞、陸上幕僚長賞を決定し、受賞部隊には、表彰状、記念品(盾)が贈られる。

 受賞作品は2月22日(木)以降、陸自各SNSアカウント、陸自ホームページ上で発表する予定だ。

・陸上自衛隊ホームページ
・陸上自衛隊X
・陸上自衛隊Facebook
・陸上自衛隊Instagram

<編集部より>

 本日2面トップは、陸上自衛隊が広報実施担当者向けに動画コンテスト「MOTY」を実施する話題を掲載しました。今や動画は広報のツール(道具)として欠かせないもの。自衛隊も負けてはいません。

 海上自衛隊では艦艇の乗組員たちが自ら「プロデューサー」となり、また、「ディレクター」となってカメラを回し、艦内の紹介や乗組員へのインタビュー映像を流したり。また、陸上自衛隊の音楽隊は被災地への応援のための演奏を動画で紹介したり…。そういえば、ある音楽隊は甲子園を目指す高校球児たちの「汗と涙の青春動画」的な作品をアップしていたこともありました。元球児の一人としてはとても熱くなるものがあり、個人的な理由で防衛日報でも紹介させていただいたことがあります。

 写真は写真でいいものです。ただ「動く画像」は豊かな表情がプラスされ、より具体的で詳細です。迫力も伝わり、分かりやすいものになるという大きなメリットがあります。見る側の視覚への訴えは、写真とは違った意味で大きいものとなるのだと思います。

陸自ではこれまでも、広報担当者がプロのカメラマンらを招請して勉強会を実施していました。活動の報告として、防衛日報社に寄せられることもありますが、どうせ制作するのであれば技術を向上させたいのが人情。何よりも、その出来栄え一つを取ってもユーザーの要求に応えているものになっているか、は重要な要素です。YouTube広報チャンネルでも掲載されるとのこと。自衛隊内部の「身内」向けだけではないのは、とてもいい企画です。コンテストの趣旨でもある「国民や同志国などからの陸自への信頼獲得」につながるのは当然のこと。自衛隊を広報することへの積極的な意欲を感じます。

 今、自衛隊は連日、「令和6年能登半島地震」による活動に奮闘しています。普段の訓練だけでなく、「被災地発」の作品も登場するのでしょうか(個人的には、それもいいと思いますが)。いずれにしても、コンテストのテーマである「強靭(きょうじん)な陸上自衛隊の創造」を、見る側が少しでも理解してもらえるような、思い切った作品が集まることを期待したいと思います。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報1月10日付PDF


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