自民党は10月27日、国防部会などの合同会議を開いた。ソマリア沖アデン湾での海賊対処行動と中東地域で情報収集する自衛隊の活動を、来年11月19日まで1年間延長する政府方針を了承した。政府は11月上旬にも閣議決定する見込み。海賊対処行動では、ジブチにある拠点の整備基盤が整い効率的に運用できるとの理由で、派遣延長後はP3C哨戒機を2機から1機に減ら一方で、現地の情報収集を強化するため支援隊の要員を増員する方針。議員からは緊張が高まるイスラエルとガザ地区について「邦人保護の観点からも中東地域での拠点は重要だ」との意見が相次いだ。

 自衛隊が中東地域で活動する海賊対処行動などの3件は、今年11月までに派遣期限を迎える。政府はいずれも派遣期間を1年間延長する見込み。

 平成21年から実施している海賊対処行動ついては一部運用を合理化する見込み。自衛隊のほか、他国の軍がソマリア沖アデン湾で、海賊対処の警戒監視を続けている影響もあり、海賊の発生件数は減少していることもあり、P3Cの運用数を減らす。その一方で、中東地域で不測の事態が発生した場合に備え、情報収集の隊員を増員する方針だ。

 具体的にはP3Cを1機減らすことに伴い、航空隊の要員を交代時の約130人から110人とする。常住する人員は現状と変わらず60人。支援隊の要員は交代時の240人から260人に増員。常駐する隊員も現状から10人増え、130人とする。

 現在の部隊は、海上保安官8人を含む水上部隊(約200人)、航空部隊(約60人)、支援隊(120人)から構成。護衛艦1隻とP3C2機でソマリア沖アデン湾を航行する商船の護衛を実施している。

 このほか、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団(MFO)」への自衛隊員派遣も、来年11月30日まで延長する方針を認めた。

 会議では緊張が高まる中東地域など関する意見が多数出された。出席議員からは「自衛隊の拠点があるジブチの重要性が高まっている。拠点の維持・強化を図る必要がある」などの意見が出た。


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