木原稔防衛大臣は10月10日、航空自衛隊横田基地(東京都福生市)を訪問し、全国の戦闘機部隊の指揮を執る航空総隊司令部を視察した。木原氏は空自隊員に対して「日々、額に汗し、厳しい任務に当たっている全ての隊員に敬意を表する」と呼び掛けた。
空自横田基地を訪れた木原氏は栄誉礼を受けた後、内倉航空幕僚長(空将)や鈴木航空総隊司令官(空将)ら空自幹部から状況報告などを受けた。
その後、木原氏は115人の隊員を前に訓示し、「横田基地はわが国の防空の中枢である。さらには在日空軍司令部とともに、強固な日米同盟を体現する場所でもある」と語った。その上で、24時間365日、北朝鮮や中国、ロシアの脅威に対応している航空総隊司令部に触れ、「国民の高い期待と信頼に応えられるように任務に当たることを切に望む」と強調した。
航空総隊司令部は戦闘機部隊や高射部隊、警戒管制部隊、救難部隊などを指揮する。日本の領空へ近づく不振機への緊急発進(スクランブル)などの対領空侵犯措置の指揮もする。これに加えて、北朝鮮などからの弾道ミサイル防衛に対しては、陸海空の3自衛隊を統括する統合任務部隊の司令部となる。
木原氏は視察終了後、記者団に対して今後の航空自衛隊について「宇宙領域を活用した情報収集、通信、測位などの機能のさらなる向上を図ることが重要だ。こうした点も踏まえて、『航空宇宙自衛隊』と改称し、名実ともに宇宙作戦能力を備えた自衛隊をつくっていきたい」と話した。