「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」(東京ビッグサイト)で「国際ドローン展」が7月28日まで開催されている。日本ドローンコンソーシアムと日本能率協会が主催。災害現場や警戒・監視でも活用されているドローンだが、インフラ点検、物流などさまざまな分野で導入が進んでいる。展示会ではドローンの最新テクノロジーを紹介。展示会ではドローン関連企業、約30社が出展。ドローンの機体をはじめ、管理ソフトのほか、水中ドローンなども展示されていた。
エアロジーラボのアイブリット型ドローン
大阪府箕面市に本社を置くエアロジーラボでは、ハイブリッド型ドローン「エアロ・レンジG4―S」を展示。機体とさまざまなデバイスと組み合わせることで、点検や測量、警戒・警備、災害対応、物流などにも活用できる。最大ペイロード(積載重量)は7キロ。増量タンクを付属しペイロードなしの場合は、最長約200分も飛行できる。
ハイブリッドパワーエンジンを搭載し、発電出力は最大2キロワット、排気量は32CC。フライトコントローラーは米国製、パワーユニットやエンジンなど主要部品は国産品を採用。同社ではマレーシアで機体の基本性能や目視外飛行などの試験を実施している。価格は約700万円で、海外での販売も視野に入れる。
同社の丹生谷直樹執行役員・営業部長は「海外からの問い合わせも少なくない。8月には飛行試験が終わるので、本格的に売り出していきたい」と期待を寄せる。
「物流」「インフラ点検」「災害・警備」の3タイプの新製品を用意
ACSL社製ドローンの販売や導入サポートを手掛ける岩本石油(本社・和歌山県・和歌山市)では、小型空撮ドローン「蒼天(そうてん)」のほか、中型プラットフォーム「PF2-AE」などを展示した。このうち、PF2-AEは7月14日に発表された新製品。物流、インフラ点検、災害・警備の3タイプを用意。 このほか、官民で共同開発した国産ドローン「蒼天」も紹介。小型空撮用ドローンで撮影画像や飛行データなどの情報漏えい防止するための仕組みを搭載。風速15メートルの強風でも飛行可能で、離島の測量や災害時の捜索活動などでの活用が想定されており、全国の警察や消防でも配備されている。
一般的なカメラに加え、赤外線カメラ、ズーム機能のあるカメラなどを載せることが可能。さらにACSLが独自開発したフライトコントローラーを搭載している。通信を暗号化することで、情報漏洩の可能性を低減させた。同社のリモートIDモジュールを標準搭載し、令和4年6月から義務化された無人航空機の登録制度にも対応する。
岩本石油の担当者は「ACSL製ドローンは防衛省・自衛隊でも活用できる機能を持っている。日本企業が製造した国産ドローンを導入してもらいたい」と話した。
水中ドローン支援ソフト
会場では、水中ドローンに関連する製品も展示されていた。海洋先端技術研究所(本社・東京都中野区)が開発した水中ナビゲーションソフトウエア「みといるか」は、水中ドロンーンを活用した海中捜索や海洋調査、港湾設備点検などの利用を想定している。イメージングソナー画像や音響測位による位置情報をリアルタイムに表示し、収録も可能だ。光学カメラが視界不良な場合でも周辺の確認できるほか、海中のターゲットまでの位置や移動ルートを作成する機能を持つ。