【2023年2月28日(火)2面】 雪といえば、北の大地。日本最北の駐屯地である名寄駐(司令・山﨑1陸佐)から、冬のさまざまなイベントに協力した様子がまとめて寄せられました。地域住民との交流を通じ、自衛隊への理解と信頼を深めてもらう―。住民たちのあふれる笑顔に支えられ、隊員たちの活動には一層力が入ったようだ。
■名寄駐
日本最北の駐屯地。所在する名寄市は、道北地方の商業・産業の中心都市で、名産の「もち米」や「アスパラガス」などが人気。また、おいしい「煮込みジンギスカン」の発祥の地でもある。現司令の山﨑1陸佐は第36代で、要望事項は「活力のある健全で信頼される駐屯地」。史料館「北勝館(ほくしょうかん)」は、第8代司令が「北で戦って勝とう」との意味を込めて命名し、昭和41年に開館。駐屯地の歴史、過去の災害派遣活動、米軍との共同訓練、各種部外行事への協力など数多くの資料が展示されている。所在地は名寄市字内淵84番地(ホームページから)。
なよろ雪質日本一フェスティバル
高さ6.5メートル、幅40メートルの
ステージと滑り台が連接
【1月11日~2月13日】
名寄市南広場で開催された「第71回なよろ雪質日本一フェスティバル」に協力し、行事の円滑な運営に寄与するとともに地域住民との交流を図った。
フェスティバルは、雪質日本一を誇る名寄市で行われる毎年恒例の冬の風物詩で、道内では「札幌雪まつり」に次ぐ歴史のある雪まつり。
行事には、名寄駐に所在する4高射特科群316高射中隊(中隊長・香田3陸佐)が担任し、メインステージや滑り台、人気キャラクターの雪像を制作した。
雪像は、製図や模型を作成して綿密な作業工程に基づき、約25人の隊員が約1カ月にわたって制作にあたった。期間中は、氷点下15度以下の肌を刺すような寒さと度重なる降雪に見舞われながらも、隊員たちはアルミスコップやチェーンソーなど各種の資器材を駆使し、丹精込めて各種雪像を仕上げた。
完成した雪像は、高さ約6.5メートル、幅40メートルのステージと滑り台が連接した迫力ある雪像。2月11日の開会式では、4高射特科群長の吉田1陸佐(※)から加藤名寄市長に雪像が引き渡された後、テープカットが行われ、行事は開幕を迎えた。
開催期間中は多くの地域住民や観光客が会場を訪れ、特に来場者の注目を集めた長さ約17メートルの巨大な滑り台とチューブ滑りでは、子供たちが歓声を上げながら迫力ある滑りを楽しんだ。
また、人気キャラクターの雪像前では写真を撮る家族連れの姿であふれた。さらに、夜間の会場には色とりどりのイルミネーションが灯ともり、開催期間中の3日間は多くの家族連れらで大いににぎわいをみせた。
※「吉」の字の正しくは「つちよし」
しべつ雪まつり
目玉は高さ5メートル、幅11メートルの巨大滑り台
【1月16日~2月5日】
「羊の町」で知られる士別市で開催された「第68回しべつ雪まつり」に協力した。
行事は、祭りの目玉である巨大滑り台の雪像作成を駐屯地所在の2特科連隊2大隊(大隊長・星野2陸佐)、3即応機動連隊機動戦闘車中隊(中隊長・齋藤2陸佐)が担任。約2週間の制作期間中、精密な寸法の計測から重機を使用して高さ約5メートル、幅11メートルの巨大滑り台を完成させた。
まつり初日の2月4日に引き渡し式が行われ、星野大隊長から渡辺士別市長に完成した雪像が引き渡された。
その後、多くの人々が会場を訪れ、隊員が安全管理のため見守る中、多くの子供たちが歓声を上げながら滑り台を楽しんでいた。また、雪像の制作のほか、雪上を機動する78式雪上車と即機連が装備する16式機動戦闘車の展示を実施。齋藤中隊長自ら来場する人々に車両の紹介や記念撮影に応じ、積極的な交流を図った。
さらに、旭川地本名寄出張所が自衛隊ブースを設置して募集活動を行う中、名寄駐広報班が各種訓練を撮影した写真を展示。多くの来場者に自衛隊に対する理解の醸成を図った。