【2022年11月22日(火)2面】 <東京>陸自1師団(師団長・兒玉陸将)は10月15日から22日の間、東富士、北富士演習場で、1後方支援連隊(連隊長・土工1陸佐)、1特殊武器防護隊(隊長・中村2陸佐)に対する訓練検閲を実施した。訓練検閲は、師団の総合戦闘力の最大限発揮に必要な能力の向上が目的。師団の攻撃におけるそれぞれの部隊の行動を検閲課目として実施し、その練度を確認した。
1後支連、兵站・衛生支援を実施/1特防は対特殊武器戦
実施にあたり、統裁官(師団長)は1後支連に対し、「第一線を間断なく支えて戦勝を獲得せよ」、1特防に対し、「師団の任務達成に最大限寄与せよ」を要望した。
1後支連は各集結地へ進入後、師団段列を開設。師団攻撃命令下達を受け、兵站(へいたん)衛生支援を行った。
連隊長は、各整備大隊に損耗した被支援部隊の装備品15件を戦況推移などを踏まえ、優先順位を決定した効果的な整備を、補給隊に食料20トン、燃料20キロリットル、水30キロリットルの補給支援、入浴、洗濯などの需品サービスを、輸送隊に師団の衝撃力持続に必要な弾薬などを前方支援地域から師団段列まで整斉とした計画輸送および緊急輸送を、衛生隊に負傷者の衛生隊応急救護所への受け入れ、配属医官の指示のもと観察、処置、診療の補助を、それぞれ適切に実施させた。
1後支連は作戦間、第一線を間断なく支え、師団の人的・物的戦闘力の維持増進に寄与し、その任務を完遂した。
1特防は集結地へ進入後、師団除染所を開設。師団攻撃命令下達を受け、対特殊武器戦を実施した。
17日、敵航空機による師団予備隊の機動経路に対する化学攻撃を受けた際、隊長は、偵察小隊に速やかに観測報告を実施させるとともに、自ら現場に進出し、直接的な指導を行って経路の早期現状回復を行った。
18日、負傷を伴う汚染人員が発生した際、隊長は、除染小隊に1後支連と協同して除染と治療・後送を迅速に実施し、早期に人的戦闘力の回復を図った。1特防は作戦間、対特殊武器対処能力を随所に発揮し、師団の戦闘力の損耗を極限させ、その任務を完遂した。
師団初、予備自が参加し経験など助言
また、今回の訓練検閲では、師団として初めて、斎藤予備1陸佐(元1後支連隊長など)、佐藤予備1陸佐(元103補給大隊長など)、田中予備2陸佐(元101野外病院隊長など)の予備自衛官3人が補助官部にアドバイザーとして参加された。3人はそれぞれの勤務経験を生かした助言などにより、師団兵站能力向上などに大きく貢献してもらった。