9月下旬に初会合
整備、予算規模、財源などを検討「国民的議論を積み上げ、理解得る」
【2022年9月15日(木)1面】 岸田文雄首相は9月8日、首相官邸で防衛力の抜本的強化に向け、防衛力の整備や予算の規模、財源などについて議論する有識者会議を設置することを明らかにした。9月下旬に初会合を開く予定で、会議のメンバーは検討中としている。
首相官邸ホームページによると、会議の名称は「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」。年末の予算編成や「国家安全保障戦略」などの「安保3文書」の改定などに向け、議論を進めることにしている。
岸田首相は会議の設置について、(1)必要となる防衛力の内容の検討(2)そのための予算規模の把握(3)財源の確保―を挙げ、「一体的かつ強力に進めていく」と強調した。
「安保3文書」の改定へ弾み
その上で、「最重要課題の一つが防衛力の抜本的強化。国民的な議論をしっかりと積み上げ、理解を得ていきたい。防衛力強化の在り方、防衛力の整備と経済力、財源との関係について高い見地から議論いただきたい」と述べた。
防衛省は8月31日に発表した令和5年度予算の概算要求の中で、「わが国が直面する現実に向き合い、将来にわたりわが国を守り抜くため、防衛力を5年以内に抜本的に強化する」との考え方を表明した。
その上で、「スタンド・オフ防衛能力」や「総合ミサイル防空能力」「無人アセット防衛能力」などの強化に向け、「必要な事業をしっかりと積み上げる」として総額5兆5947億円の歳出予算のほか、政府の方針を受けて今後、検討するために約100項目規模の「事項要求」も併せて盛り込んだ。