【2022年9月8日(木)1面】 自衛隊の募集活動に欠かせないのが、広報ブースだ。イベントなど会場に足を運んだ人たちの目に止まるよう、大きな活字が躍るのぼりはもちろん、自衛隊ならではの制服姿でのアピール、空自の現役パイロットの応援、マスコットキャラクターの〝同席〟などなど、地本ではあの手この手の作戦を展開し、自衛隊への関心を高めてもらい、募集活動に努めている。それだけ、ブースの存在は貴重なものとなっている。
【夏 最前線】は、「自衛隊を知ってもらうきっかけに」と、広報イベント真っ盛りのシーズンに奮闘する地本の活動を紹介する企画です。
大型商業施設で体験フェア|富山地本
富山地本富山募集案内所(所長・山本3陸佐)は8月11日、富山市内の大型商業施設「ファボーレ」で「自衛隊体験フェア」と銘打って募集広報活動を行った。新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮するとともに、猛暑に伴う熱中症や展示車両への接触時のやけどなどに細心の注意を払って実施。広報ブース前は、多くの人たちでにぎわった。
当日は、1/2トントラック(パジェロ)、軽装甲機動車(LAV)の展示に加え、「自衛官だから出会えた景色」の写真パネル掲示のほか、災害時に役立つロープワークや応急担架の作成など、一部体験型のイベントを取り混ぜ、自衛隊の存在を身近に感じる機会を設定した。
夏休み中の祝日ということもあり、家族連れの買い物客や小中高校生が多数来場。展示車両に触れたり、ミニ制服を試着して記念撮影するなどして楽しんだ。
「将来は自衛官が目標です」「パイロットになりたいです」「女性でも自衛官になれますか」と募集に直結する内容や、「自衛官の給料や勤務地はどうなっていますか」「自衛官は普段、どのような訓練をしていますか」「陸海空自のどこがおすすめですか」などなど。富山市内には自衛隊の部隊がないこともあって来場者は興味津々。現場で対応した自衛官に多くの質問・意見を寄せていた。
また、募集対象年齢層やその親族が熱心に広報官の説明に聞き入る姿も見られ、募集基盤の拡大には大変有意義なイベントとなった。
富山所は「募集対象者の減少、高校生の進学率の向上、地元企業の求人倍率の向上などの厳しい募集環境の中、今後も地元自治体や地元企業・各種協力団体と連携を密にし、積極的に募集広報活動を展開し、募集目標を達成する」としている。
リクルータが説明|山形地本
山形地本酒田地域事務所(所長・森3海佐)は7月18日、酒田市武道館で警察、消防、海上保安庁と合同の公務員職場紹介を実施した。イベントは毎年2回実施されており、今回で10回目。
参加者は4グループに分かれて各機関を順に回り、職場体験をした後、最後の自由訪問で希望の機関を訪問する形式で行われた。
グループ訪問の時間には、はじめに自衛隊の任務や幅広い職種の説明を行った。参加者は熱心に説明に耳を傾け、職業としての自衛官の魅力に驚いていた。
引き続き、空自秋田救難隊の隊員が救難隊の任務を紹介し、展示された救難装備品の説明を行った。
参加者からは「自衛官という選択肢もいいと思った」「多くの装備を使用して人命救助活動をしていることが分かった」などの声があり、自衛隊に興味を持った様子だった。
最後の自由訪問の時間には、自衛隊ブースに多くの参加者が訪れ、リクルータとして20普連重迫撃砲中隊から派遣された伊藤3陸曹が学生に対して自身の体験談などの説明を行った。
参加者からは、「自衛隊を受験しようと考えています」「身近に自衛官の方がいるとは思いませんでした」「自衛官候補生と一般曹候補生の違いを教えてください」など、さまざまな感想や質問が寄せられた。
酒田所は「説明会に参加した学生と今後も交流を続け、各種イベントに参加してもらうことで自衛隊への理解をさらに深めてもらい、志願者獲得につなげたい」としている。
南極の氷に驚きの声|神奈川地本
神奈川地本横浜出張所(所長・田中3陸佐)は7月28日から31日の間、大型ショッピングモール「トレッサ横浜」(横浜市港北区)で自衛隊広報ブースを設置し、広報活動を行った。
広報ブースでは、採用説明会コーナーのほか、災害派遣パネルや「南極の氷」を展示し、地域住民との交流を図った。南極の氷は、普段なかなか見ることのできないものとあって、広報官からの「数万年前に作られた氷です」との説明に驚きと感動の声が上がっていた。
また、土日には神奈川地本のキャラクター「はまにゃん」も登場し、会場を沸かせていた。
来場者からは「日本の平和のために予備自衛官になりたいです」「東京オリンピックを見て、ブルーインパルスのパイロットを目指しました」「自衛隊が南極に行くのを知りませんでした」などの感想が聞かれた。
トレッサ横浜では、今年の9月3、4の両日にも防災フェアとして、自衛隊が参加した。
横浜所は「今後も地域に密着したイベントに積極的に参加し、自衛隊の活動に対する理解の促進を図っていきたい」としている。