鍛錬の場、磨き上げて 北から南、春季演習場整備
【2022年6月3日(金)2面】 「自らの『道場』は、自らの手で良くする」。今回、名寄駐の報告にはこんな一文がつづられている。演習場整備は、部隊の作戦遂行能力をも磨く。各地から届いた「施設科のプロたち」の様子をまとめて紹介する。
整備完了後は射撃訓練も|3即応機動連隊
名寄駐3即応機動連隊(連隊長・山﨑1陸佐)は5月9日から18日の間、日本最北端に位置する鬼志別演習場で令和4年度「春季演習場定期整備」を実施し、小銃戦闘射場や道路などの機能維持整備を行い、演習場道場化の推進に寄与するとともに部隊の作戦遂行能力を向上させた。
各中隊は、連隊長要望事項である「道場化オペレーションを完遂せよ」「各種管理を徹底せよ」に基づき、指揮の要訣に基づく実員指揮、基本基礎の徹底、状況の変化に応じた整備、安全管理を万全にし、訓練基盤の充実を図った。
連隊は、演習場整備開始に先立ち、2施設大隊の隊員による器材の取り扱い、土のう、柵の作成要領などの教育を受け、整備能力を向上させ、師団各部隊と協同して整備を開始した。
各隊員は、強風により初冬のような寒さの中、泥にまみれながら「自らの道場は、自らの手で良くする」という気概を持って、全力で整備任務にあたった。
また、システムを利用した進捗管理に基づく部隊運用、伐採後の木材を活用するためウッドチップを作成して道路に敷設する新たな試みを実施した。さらに、整備終了後の時間を活用し、96式装輪装甲車の操縦訓練、戦闘訓練を実施して練度の向上に努めた。
整備は、予定よりも早く進捗し、連隊は、細部まで補備修正を実施して副担任官で副師団長の宮﨑陸将補による点検を受け、1件の事故もなく全ての演習場道場化任務を完遂した。
整備終了後、連隊のほか、2偵察隊、2施設大隊、2後方支援連隊の隊員計10人が優秀隊員として副担任官から表彰され、記念品が贈られた。
最後に連隊は、17日に整備が完了したばかりの射撃訓練場で「連隊射撃訓練」として96式装輪装甲車の76ミリ発煙弾発射機による発煙弾射撃、手りゅう弾投てき訓練を実施して射撃能力の向上を図った。
3即応機動連隊は「引き続き、訓練基盤の充実を図るとともに、国防任務完遂のためさらに邁進(まいしん)していく」としている。
<2面特集記事:演習場整備>
(名寄3即応機動連隊)3即機連 整備完了後は射撃訓練も
(山口駐17普連)安全管理徹底 事故なく完遂
(岩見沢駐12施設群)12施設群 戦車道の路盤を強化
(倶知安駐北部方面対舟艇対戦車隊)伐採、道路・外柵整備、看板設置など
(高田駐5施設群)5施設群 61キロの機動道路整備など