「中高生のための質問BOX」~特別編~
「はじめての防衛白書(第2版)」の制作現場に密着
防衛白書事務室では、昨年から中高生向けに「はじめての防衛白書」を制作している。専門的な内容の「防衛白書」のポイントをイラストや図、平易な説明などで分かりやすく紹介するもので、今回(第2版)は新たな試みとして中高生の“取材記者”を募集。4人の生徒の協力が得られた。
今回、防衛白書事務室のご協力を得て、記者としてインタビューを行った直後の中学生2人に話を伺った。
中高生4人がそれぞれの目線で自衛隊に迫る
今夏に公開が予定されている「はじめての防衛白書(第2版)」の取材記者に選ばれたのは、中学生2人、高校生2人の計4人(男子3人、女子1人)。それぞれの関心項目に合わせて、陸海空の自衛官各1人、防大生1人がインタビューを受けた。
4人の生徒によるインタビューは3月中旬に実施され、それぞれ約30分間、オンラインで自衛官や防大生に練りに練った質問をぶつけた。そのうち2人に、インタビュー後の興奮も冷めやらぬ中、お話を伺うことができた。
ウクライナ問題で国防の重要性を再認識
谷風輝(たにかぜ・ひかる)さんは中学3年生の男子生徒。4月から高校生となるが、すでに将来は防衛大学校に進み幹部自衛官になると心に決めている。希望は陸上自衛隊で、「警務隊や普通科連隊の指揮官を目指している」という。ちょうど取材時、テレビでは連日、ロシアのウクライナ侵攻が報じられていた。「こわいと思ったことは?」と聞くと、「こわさはありますが、改めて国防の大切さが分かりました。日本がウクライナのようにならないようにしないといけないし、自衛隊に入りたいという気持ちは変わりません」と気持ちに揺るぎはない。
谷風さんがインタビューしたのは現役の防大生。将来、自衛隊を幹部として率いていく防大生がどんな環境で学び、どんな考えを持っているかを聞き出したかったという。「防大での生活などは、ネットなどの情報だけでは分からない部分も多いので、とても参考になった。一番印象に残っているのは、『普通の人がやりたがらないこと、いやなことやつらいことをやるのが自衛隊。それをモチベーション高くやらせるのが指揮官の役目』とお話されていたこと」と話していた。
女性自衛官の活躍にあこがれ
山本美結(やまもと・みゆ)さんはまだ中学1年生。今回、唯一の女子生徒で、女性の幹部自衛官にあこがれている。今回、念願が叶って、海上自衛隊の女性幹部にインタビューすることができた。
女性自衛官にあこがれを持ったきっかけは、最近増えている自衛隊の活動や内幕を伝えるテレビ番組。とはいえ、理由はそれだけではない。実はお兄さんが現在、陸上自衛隊の高等工科学校生徒で、お兄さんから直接入ってくる情報により、ますます自衛隊への関心を高めているようだ。
山本さんがインタビューしたのは、訓練支援艦「くろべ」や護衛艦「すずつき」の艦長も務めた海上自衛隊の女性幹部。最初は自衛官にこわいイメージを持っていたが、「お話をしてみると、とてもやさしくて質問しやすかった」と話す。これから自衛官を目指す上で、「こわいこと、たいへんなことはあるが、ポジティブに考えることが大切」とアドバイスを受けたという。また、「艦艇は多くの隊員の力があって動くもの。関わっている人たちへの感謝の気持ちを忘れないことが大事」という言葉が心に刻まれたという。
今夏刊行・公開予定の「はじめての防衛白書」に乞うご期待!
生徒たちは、インタビューをもとに記事を作成。その成果は、「はじめての防衛白書(第2版)」で発表される。