今回は、自衛隊の部隊への関心が高い東京都の中学生から、通信科職種に関する鋭い質問が寄せられました。
専門的な質問につき、「陸上幕僚監部 広報室」の協力を得て回答します。ぜひご確認ください。※質問者のアイコンはイメージです。性別を特定するものではありません。
東京都の中学生から質問をいただきました
![画像1: 今回の質問「通信科について教えて」|中高生のための質問BOX in自衛隊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2022/03/23/b284ffee5e18b19b340c2fa6fa32ced7bea0df1e.png)
通信科隊員が小隊や分隊などにいるのは何のためですか?
(回答)
![画像2: 今回の質問「通信科について教えて」|中高生のための質問BOX in自衛隊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2022/10/04/5e0eba0485e35cfc2675ad6a403d08461ee107f5.png)
任務を遂行するために通信手段を確保するのはとても大事なことで、通信を担う業務も重要な役割の1つですが、小隊や分隊に専属の通信科職種の隊員がいるわけではありません。例えば、現場指揮官の通信を担う隊員は通信科職種ではなく、普通科連隊であれば普通科の隊員が行っています。
通信科職種(部隊)は、陸自の指揮などの命脈を確保することが任務の1つとなっていて、陸自の通信確保の中核を担う職種と位置付けられています。通信を確保することにより、陸自の指揮・統制・情報の命脈として総合戦闘力発揮や情報優越の基盤を形成する重要な役割を担っています。
このように通信科職種(部隊)は、どちらかというと陸自全体の通信をいかに確保していくかという大きな次元で活躍する職種となっています。
また、通信科職種は従来の陸戦だけでなく、サイバー・電磁波領域の戦い方、IP化されたネットワーク、クラウド化されたシステムにも精通しています。
敵のサイバー・電磁波の領域からシステムや通信を守り、地震・水害などの極めて厳しい環境下でも行動できる職種を目指し、日々訓練に励んでいます。
![画像: YouTube 陸上自衛隊広報チャンネル「陸上自衛隊 職種紹介(通信科)」から](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2022/10/04/80acc799cb2fd47baef7c1bcafbdea39302ef7b3_xlarge.jpg)
YouTube 陸上自衛隊広報チャンネル「陸上自衛隊 職種紹介(通信科)」から
![画像3: 今回の質問「通信科について教えて」|中高生のための質問BOX in自衛隊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2022/03/23/18db939f3d8a43b1037341a029f04ee6be1cbe09.png)
分隊長や小隊長も通信するための通信機を持っていると思うのですが、隊長が司令部とやり取りしても問題ないのではないでしょうか。隊長は指揮に専念させて、通信は通信科隊員に専念させるということですか?
(回答)
![画像4: 今回の質問「通信科について教えて」|中高生のための質問BOX in自衛隊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2022/10/04/6053ea3bb86a91c4d4c4bafb23491c844921144a.png)
指揮官は、作戦や戦闘において、作戦・情報・兵站・衛生・人事・通信・民事・広報・会計・法務などの各種機能を有機的に総合発揮して任務を達成します。
指揮官は常に状況判断を行い、適切に決心をして計画を策定し、指揮下部隊に命令しその実行を監督する立場にあります。このように指揮官が指揮を行うにあたり、通信が常に良好な状態であることは重要で、主要な指揮官には通信を担う隊員が近くで補佐をしているのです。
編集部より:このように自衛隊にはさまざまな職種があり、「通信科」とひと口に言っても、単に部隊間の連絡を取るだけでなく、通信の確保や電子戦の主要な部門も担当しています。指揮官がすばやく的確に指揮を執るために、近くでサポートする重要な役割を担っているのですね。