前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。
2022年1月29日(土)
岸防衛相が初めてオスプレイに搭乗
◯岸信夫防衛大臣は、陸上自衛隊木更津駐屯地を視察し、所在する部隊の活動状況について報告を受けたほか、所属する隊員に訓示を行った。
木更津駐屯地には、第1ヘリコプター団をはじめとする部隊の航空機約70機が所在。また、約1800メートルの滑走路があり、駐屯地に所在する航空機のほか、航空自衛隊のC130大型輸送機などの離発着が可能で、首都圏へのアクセスの良さから関東地区における航空防災拠点の基盤となっている。
岸大臣は、防衛大臣として初めて陸上自衛隊V22オスプレイに搭乗。高度に安定した飛行が行えることを確認した。
海賊対処水上部隊がドイツ海軍と共同訓練
◯派遣海賊対処行動水上部隊は、ドイツ海軍艦艇との共同訓練を実施した。海上自衛隊の戦術技量の向上とドイツ海軍との連携強化が目的。
訓練はアデン湾で行われ、派遣海賊対処行動水上部隊の護衛艦「ゆうだち」と独海軍のフリゲート「バイエルン」が参加。クロスデッキ、戦術運動、近接運動を訓練した。
統合幕僚監部は、「昨年8月のアデン湾での共同訓練にはじまり、11月のドイツ艦船の20年ぶりの日本寄港など、日独関係は一層深化している。これからも日独は『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて取り組んでいく」としている。
2022年1月30日(日)
北朝鮮がロフテッド軌道でミサイル発射
◯北朝鮮は午前7時52分ごろ、内陸部から弾道ミサイルを1発、東方向に発射した。
防衛省によると、最高高度約2000km程度で30分程度、距離は約800km程度飛翔。落下したのは日本海で、日本の排他的経済水域(EEZ)外と推定している。高度や飛翔距離から、今回の弾道ミサイルはロフテッド軌道で発射され、中距離以上の弾道ミサイルであったと考えられる。
防衛省は、「今回のような烈度の高い弾道ミサイル発射を含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国と地域および国際社会の平和と安全を脅かすものである。このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難する」としている。
東京大規模接種会場で編成完結式
◯鬼木誠防衛副大臣出席の下、自衛隊東京大規模接種会場で自衛隊の医官や看護官らの編成完結式が行われた。
式は東京都千代田区の「大手町合同庁舎3号館」で開かれ、運営に携わる民間の看護師を含む約30人に対し、鬼木副大臣が「オミクロン株の感染が急速に拡大し、3回目接種のさらなるペースアップが必要だ。打ち勝てるよう全力で取り組むことを期待する」と訓示した。
東京会場では翌31日から、18歳以上を対象に3回目のワクチン接種がスタート。防衛省は「大規模接種会場の設置により、自治体のワクチン接種に係る取り組みを後押ししていく」としている。
トンガへ急航中の「おおすみ」が洋上給油
◯トンガに支援物資を届けるため、太平洋上を急航している国際緊急援助活動統合任務部隊の輸送艦「おおすみ」は30日、洋上給油を行った。
洋上給油は、補給艦「とわだ」から輸送艦「おおすみ」へ、給油ホースを渡して実施。洋上給油は2隻の艦艇が並走して行う危険を伴う作業で、2艦の後方には安全確保のためLCACエアクッション艇が控えて実施された。
防衛省・自衛隊は「乗員は安全管理を徹底して作業を行い、トンガでの任務に備えている」としている。
2022年1月31日(月)
訓練中のF15戦闘機が墜落
◯午後5時30分ごろ、航空自衛隊小松基地(石川県)所属のF15戦闘機の航跡が、小松管制隊のレーダーから消失した。その後の捜索活動を経て、同機の墜落が発表された。
航空幕僚監部によると、当該機は要撃戦闘訓練のため、搭乗員2人で小松基地を離陸。直後に小松基地から280度55km付近の日本海上空でレーダーから消失した。
その後、空自の救難機、海自の哨戒機や艦艇、海上保安庁の巡視船などが捜索活動を実施。空自小松救難隊のUH60J救難機が浮遊物を発見し、回収した。検証の結果、回収した浮遊物は当該機の外板と救急装備品の一部であることを確認し、機体は墜落したと推定されると発表した。
岸田首相が東京大規模接種会場を視察
◯午前8時から、自衛隊東京大規模接種会場で新型コロナワクチンの3回目接種が始まり、岸田文雄首相が視察に訪れた。
鬼木防衛副大臣が、岸田首相を自衛隊東京大規模接種会場に迎え、ワクチン接種ブースやワクチン保管庫などを案内した。
岸田首相は視察後、懇談などを行い、その後、会見を開いた。会見の様子は、政府インターネットTV(こちら)で閲覧できる。
大阪大規模接種会場の準備開始式を実施
◯陸上自衛隊中部方面総監は、2月7日からの自衛隊大阪大規模接種会場の運営開始に向けて、準備開始式を行った。
式には約80人が出席。ワクチンを保管するための冷蔵庫の運搬など、会場の設営準備が進められた。
大阪会場では2月7日から運用が始まり、3回目の接種券が届いた18歳以上で、2回目の接種から6カ月以上が経過している人を対象に、1日あたり最大960回の接種を行う予定。
予約は2月4日から。専用のウェブサイトや通信アプリ「LINE」のほか、電話でも行える。
山村海幕長がタイ海軍司令官とテレビ会談
◯海上幕僚長の山村浩海将とタイ海軍のソンプラソン司令官がテレビ会議を行った。
両者は、コロナ禍にあっても非接触型の防衛交流が可能な海軍種の強みを活かし、さらなる関係強化を図っていくことで一致した。
2022年2月1日(火)
海自と米海軍が対潜特別訓練
◯海上自衛隊は1月28日から2月1日の間、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、米海軍と対潜特別訓練を実施した。海自の戦術技量と米海軍との相互運用性の向上が目的。
訓練は関東南方の海空域で行われ、海自から護衛艦「たかなみ」、潜水艦、P1哨戒機、米海軍から駆逐艦「フィッツジェラルド」、P8A哨戒機が参加し、対潜戦を訓練した。
防衛研究所がYouTubeチャンネルを開設
◯防衛省の政策研究の中核である防衛省防衛研究所が、2022年に創設70周年を迎え、YouTubeチャンネルを始動した。
防衛研究所は、主に安全保障や戦史に関して政策指向の調査研究を行うとともに、自衛隊の高級幹部などの育成のための国防大学レベルの教育機関としての機能を果たしている。また、戦史史料の管理、公開などを行っており、日本最大の戦史研究センターとしての役割も担っている。
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、防衛省・自衛隊の知的基盤として、その存在感を高めており、研究成果などを一般に広報していくのが目的。
第1弾の動画では、防衛研究所の基本的任務を紹介。
第2弾では、最新版の『中国安全保障レポート2022-統合作戦能力の深化を目指す中国人民解放軍』について、執筆者の杉浦康之主任研究官が徹底解説を行っている。
防衛研究所は「是非チャンネル登録してください!」と呼び掛けている。
2022年2月2日(水)
接種回数を拡大し、3回目接種を推進
◯防衛省は、鬼木誠防衛副大臣(大規模接種推進本部長)の下、第4回大規模接種推進本部会議を実施した。
会議では、自衛隊東京大規模接種会場における接種能力の拡大などについて検討を進めた。2日時点で2160回の接種回数を2月8日(火)から1日当たり4080回へ拡大、10日(木)から5040回へ拡大し、3回目接種を加速する。
自治体から送付された3回目接種の接種券を持っていれば、防衛省・自衛隊のホームページで予約できる。
ロシアの哨戒機が日本海を飛行
◯統合幕僚監部は2日、ロシア機の日本海における飛行について公表した。
航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進を行い、ロシアのIL38哨戒機2機を確認した。
海自の新型油槽船が進水
◯愛媛県今治市の新来島波止浜どっくで、海上自衛隊油槽船「YOT02」の進水式が行われた。
油槽船は、製油所から海自拠点へ燃料を輸送する任務を担う船。YOT02は、2019年度予算で計画された「4900トン型油槽船」の1番船で、2022年春に就役する。海自の油槽船はYOT01に続き2隻目。
トンガに水や高圧洗浄機を輸送
◯トンガ王国国際緊急援助活動空輸隊は、日本からの緊急援助物資をC130輸送機でトンガに輸送した。
C130はトンガのファアモツ国際空港に着陸。圧洗浄機約50台、水約2トン(2300リットル)を届けた。
2022年2月3日(木)
鬼木副大臣が官公需に関する会議に参加
◯鬼木防衛副大臣 は、経済産業省中小企業庁主催の第4回官公需に関する関係府省等副大臣会議(オンライン会議)に参加した。
会議では、令和4年度の中小企業者に関する国などの契約の基本方針の方向性などについて審議を行った。
防衛省・自衛隊は、「中小企業者に関する国などの契約の基本方針を踏まえ、中小企業者向けの契約比率の数値目標を含む年度方針を毎年公表しており、中小企業者の受注機会の増大を図るため、一層の取り組みを進めていく」としている。
2022年2月4日(金)
海自が国際観艦式2022のロゴマークを募集
◯海上自衛隊が2月4日から、国際観艦式2022のロゴマーク募集を開始した。
令和4年度に創設70周年を迎える海上自衛隊は、20年ぶりとなる国際観艦式を行う予定。これを記念して、広く一般からロゴマークを募集する
募集期間は3月6日まで。採用された作品は、令和4年(2022年)11月に開催予定の国際観艦式の各種イベントなどに広く使用される。
募集概要は海上自衛隊のホームページで確認できる。
https://www.mod.go.jp/msdf/ifr/logo/