【2022年2月4日(金)1面】 年末年始の「帰省広報」の報告が1月下旬、各地から相次いで届けられた。入隊してさまざまな経験を積んだ若い隊員たちの表情は皆、輝いている。母校訪問や説明会への出席依頼など、募集広報を大きな業務とする地本側にとっても、頼りになる存在。今年も長期休暇などの際は、大いに協力してもらう存在でもある。新潟、埼玉、静岡の地本の様子を紹介する。
「友人に会って自衛隊の魅力を話しています」|新潟地本
新潟地本(本部長・小見1陸佐)長岡出張所はこのほど、見附市出身で陸自2偵察隊所属の中澤陸士長と南魚沼市出身で海自護衛艦「かが」勤務の種村海士長の帰郷訪問を受けた。
2人はともに令和2年春に一般曹候補生として入隊した隊員。年末年始休暇で帰省し、元気な姿を見せようと雪が降り積もる寒さの中、長岡所を訪れた。所長と担当広報官の小林2陸曹に温かく出迎えられ、中澤士長は「北海道は新潟よりも寒く、訓練も厳しいですが、食べ物がおいしくて毎日が楽しく充実しています」と話した。
一方、種村士長は「艦艇勤務は覚えることがたくさんあって大変ですが、基本的に全てが楽しい。わからないことがあっても、自分で勉強して覚えたり同僚が助けてくれて家族みたいな温かい職場です」と、入隊前とは見違えるほど心身ともに成長した姿を見せてくれた。
また、友人と会った時にも自衛隊の魅力を話し、「募集にも協力しています」とも話してくれた。
所長から「年末年始の休暇で親孝行や友人と過ごしてリフレッシュしてまた、頑張ってください。機会があれば、母校でも自衛隊のことを伝えてほしい」と激励を受け、2人は長岡所を後にした。
新潟地本は「今後も入隊した隊員が帰郷した際に、声を聞き、発信するとともに母校訪問の協力を依頼し、実施することで自衛隊を身近に感じてもらい、募集目標の達成に邁進(まいしん)する」としている。
母校野球部後輩に説明 監督にも自衛隊をPR|埼玉地本
埼玉地本さいたま地域事務所(所長・畑生3陸佐)はこのほど、同所から一昨年入隊し現在、北海道で勤務する後藤陸士長の帰郷広報の機会を捉え、大宮東高校で同じ野球部に所属していた入隊予定者に対し、入隊までの準備、入隊後の勤務状況などについて説明を実施した。
入隊予定者は、野球部の2年上の先輩との久しぶりの対面。昔の姿を思い出して最初は緊張のあまり言葉が少なめだったが、次第に緊張もほぐれ、新隊員教育隊での心構えや部隊での勤務状況などについていろいろと質問・懇談し、事務所を後にする際には、入隊に対する意識が大いに高まっていた様子。
また、翌日には母校を訪問。野球部の監督や教諭との面談を行い、部隊での勤務状況や自衛隊でのやりがいなどについて報告。自衛隊に興味がある後輩に対しては、進んで説明したい旨を伝えた。
後藤士長の生き生きとした姿を見た監督からは、「野球を通じて鍛えた心身を基に、自衛隊で活躍している姿を見て感銘を受けた。今後は積極的に自衛隊のことを広報する」との心強い言葉があった。
埼玉地本は「これからも受験希望者や入隊予定者のニーズに合った効果的な説明などを実施し、受験者増大につなげていく」としている。
入隊時の担当官と再会 説明会で空自を紹介|静岡地本
静岡地本(本部長・杉谷1空佐)浜北募集案内所はこのほど、同所(浜松市)で空自秋田救難隊(秋田分屯基地)で勤務している杢屋3空曹を迎え、空自入隊予定者に対する説明会を実施した。
杢屋3曹は浜松市出身。学生時代に予備自衛官補を経験した上で、一般曹候補生として入隊した。浜北所の鈴木2陸曹は入隊時の担当広報官であり、今回、帰省に合わせて浜北所での説明会に協力してもらうこととなった。
「空自の魅力を後輩たちに伝えたい」と、杢屋3曹は熱いまなざしで浜北所を訪れた。説明会には、高校生4人、大学生1人が参加した。
説明会では、それぞれが不安に思っていること、入隊後の仕事、キャリアアップについて質問をした。杢屋3曹は、現在、部隊で広報係も兼務していて、救命装備品整備員としての勤務経験と広報係として得た知識を織り交ぜながら、分かりやすく説明した。
参加者の中には、救難員に憧れて入隊を決意した人もおり、「ますます救難員を目指すという志が固まった」「救難員への道のりが一つではないこと、努力次第だということを知ることができてよかった」と話し、ほかの参加者からも「不安な気持ちがなくなった」「女性も自衛隊のいろいろなところで活躍していることを知ることができた」などの声が挙がった。
説明会を終えると、杢屋3曹は「こんなに熱心に空自のことを知ろうとしてくれる人たちと時間が共有できて、自分もとても楽しかった」と感想を話していた。
静岡地本は「入隊後もつながりを大切にし、人の輪がもたらす化学反応を説明会の実施などで発揮していく」としている。