前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。
2022年1月15日(土)
15旅団長らがコロナ医療支援チームを激励
◯沖縄県での新型コロナウイルス感染症対応に係る自衛隊の災害派遣で、陸上自衛隊第15旅団長の井土川一友陸将補と内閣官房リエゾン(情報連絡員)チームの鹿沼均審議官が現地を視察した。
2人は県立北部病院と同中部病院の院長から自衛隊の医療支援チームの活動状況について説明を受けるとともに、派遣隊員を激励した。
2022年1月16日(日)
トンガ沖で火山噴火 自衛隊機が被害状況を偵察
◯15日午後5時10分(日本時間午後1時10分)ごろ、南太平洋のトンガ沖で火山が噴火した。火山灰が空高く吹き上げられ、この地域における噴火としては、過去数十年で最大規模とされる。この影響で、日本の太平洋沿岸地域に津波警報・注意報が発令された。
自衛隊は16日、津波警報・注意報が発令されている地域の沿岸部で航空偵察を実施。奄美大島などで、航空自衛隊那覇救難隊のU125A救難捜索機やUH60救難ヘリコプター、陸上自衛隊のUH1多用途ヘリコプターが出動し、被害状況を確認後、帰投した。
また、陸上自衛隊は、奄美地方では奄美市役所と瀬戸内町役場に、東北地方では岩手県庁、石巻市、気仙沼市、南三陸町に連絡員を派遣し、情報を収集。自治体と連携し、津波災害に備えた。
14日の北朝鮮ミサイルは「短距離弾道ミサイルA」
◯防衛省は、北朝鮮が14日に発射した弾道ミサイルについて、この日までに得た情報を発表した。
北朝鮮は14日午後2時50分ごろまでに、北朝鮮北西部から弾道ミサイル2発を東方向に発射した。最高高度は約50km程度で、距離は通常の弾道軌道だとすれば約400km程度飛翔。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外の北朝鮮東岸付近に落下したものと推定している。
今回発射されたミサイルは、2019年5月4日などに発射された「短距離弾道ミサイルA」と外形上類似点のある固体燃料推進方式の短距離弾道ミサイルで、昨年9月15日に鉄道から発射されたものと同型のものとみられる。詳細については分析中としている。
防衛省は「北朝鮮の軍事動向について、引き続き、米国などとも緊密に連携しながら必要な情報の収集・分析および警戒監視に全力を挙げ、わが国の平和と安全の確保に万全を期していく」としている。
石垣島の新型コロナ患者を空輸
◯午後0時23分、沖縄県知事から陸上自衛隊第15旅団長(那覇駐屯地)に対し、新型コロナウイルス感染症患者の急患空輸に係る災害派遣要請があった。
自衛隊は第15ヘリコプター隊のCH47大型輸送ヘリにより、新石垣空港から那覇空港への急患空輸を実施した。
2022年1月17日(月)
北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射
◯午前8時49分および8時52分ごろ、北朝鮮西部から弾道ミサイル2発が東方向に発射された。最高高度は約50km程度で、距離は通常の弾道軌道だとすれば約300km程度飛翔。落下したのは北朝鮮東岸付近で、日本の排他的経済水域(EEZ)外と推定されるとしている。北朝鮮は14日にも弾道ミサイル2発を発射している。
防衛省は、「これまでの弾道ミサイルなどの度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国と地域の平和と安全を脅かすものであり、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題である。このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反するものである」として、北朝鮮を強く非難した。
沖縄での新型コロナ感染症に関する災害派遣が終了
◯自衛隊は、1月11日から行っていた沖縄県における新型コロナウイルス感染症に係る災害派遣を17日、すべて終了した。
沖縄県では、新型コロナウイルスの急激な感染拡大に伴い医療体制がひっ迫。国などから看護師などが派遣されるまでの間、自衛隊が医療支援を実施していた。17日午後4時30分、厚生労働省などからの看護師派遣などにより、必要な人員体制が整う見込みとなり、県知事から陸上自衛隊15旅団長(那覇駐屯地)に災害派遣撤収要請があった。
陸上自衛隊第8後方支援連隊、西部方面衛生隊、自衛隊熊本病院の要員からなる医療支援チーム(看護官3人、准看護師7人)は、県立北部病院と同中部病院で、レッドゾーンでの看護業務を含む医療支援や介助業務、健康管理を行った。
吉田陸幕長がドイツ陸軍総監とテレビ懇談
◯陸上幕僚長の吉田圭秀陸将とドイツ陸軍のマイス総監が昨年11月以来、2度目のテレビ懇談を実施した。
両者は昨年11月、ドイツ海軍艦艇「バイエルン」が日本に寄港した機会を捉えてテレビ会談を実施し、日独防衛協力の流れを進展させており、今回の会談はそれを維持する狙いがある。
懇談では、日独を取り巻く安全保障環境などについて意見を交換。日独陸軍種間の連携強化の基礎を確立した。
2022年1月18日(火)
17日の北ミサイルは「短距離弾道ミサイルB」
◯防衛省は、北朝鮮が17日に発射した弾道ミサイルについて、この日までに得た情報を発表した。
北朝鮮は17日午前8時49分ごろ、および8時52分ごろ、北朝鮮西部から弾道ミサイル2発を東方向に発射した。最高高度は約50km程度で、距離は通常の弾道軌道だとすれば約300km程度飛翔。日本の排他的経済水域(EEZ)外である北朝鮮東岸付近に落下したものと推定している。
今回発射されたミサイルは、2020年3月21日などに発射された固体燃料推進方式の「短距離弾道ミサイルB」であるとみている。
自衛隊が3回目接種推進へ大規模会場を設置
◯防衛省は、鬼木誠防衛副大臣(大規模接種推進本部長)の下、第2回大規模接種推進本部会議を開催した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、1月11日に岸田文雄首相が自衛隊による新型コロナワクチン大規模接種会場の設置に言及。岸信夫防衛大臣の指示を踏まえ、会議で検討を進め、3回目接種を目的とした大規模接種会場を東京都と大阪府に設置することを決めた。東京会場は1月31日から、大阪会場は2月7日(予定)からワクチン接種を開始する。
詳細は防衛省・自衛隊のホームページで確認できる。
https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/covid/index.html
海自がスリランカ海軍と親善訓練
◯海上自衛隊の令和3年度インド太平洋・中東方面派遣(IMED21)部隊は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、スリランカ海軍との親善訓練を実施した。海自の戦術技量の向上とスリランカ海軍との相互理解の増進が目的。
訓練はスリランカ北東部のトリンコマリー沖で行われ、海上自衛隊の掃海母艦「うらが」、掃海艦「ひらど」、スリランカ海軍の哨戒艦「サガラ」が参加。戦術運動などを訓練した。
海自の参加部隊は、1月16日から18日までの間、スリランカのトリンコマリーに寄港した。
第1ヘリ団が在日米陸軍航空大隊と年頭編隊飛行
◯陸上総隊第1ヘリコプター団(木更津駐屯地)は、令和4年の年頭編隊飛行を実施した。
編隊飛行には、第1ヘリ団のCH47輸送ヘリ、EC225LP要人輸送ヘリ、LR2連絡偵察機、UH60救難ヘリ、V22オスプレイが参加。在日米陸軍航空大隊からオブザーバーとしてUH60救難ヘリも参加し、総勢13機による編隊飛行を披露した。
陸上総隊司令官の前田忠男陸将が編隊飛行を機上から指導。前田司令官は、在日米陸軍航空大隊とコラボした一糸乱れぬ編隊飛行を上空から確認し、「第1ヘリコプター団の高い技量といかなる任務も完遂する強い意気込みを感じた」と述べた。
2022年1月19日(水)
空自が米空軍と戦術空輸などを訓練
◯航空自衛隊は18、19の両日、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、米軍との共同訓練を実施した。空自の戦術技量と日米共同対処能力の向上が目的。
訓練は那覇南東の太平洋上の空域で実施され、空自から第9航空団(那覇)のF15 戦闘機8機、南西航空警戒管制団(那覇)、警戒航空団(那覇)のE2C早期警戒機1機、第1輸送航空隊(小牧)のC130H戦術輸送機1機、第2輸送航空隊(入間)のC1輸送機1機が参加。米空軍のF15戦闘機14機、E3早期警戒管制機1機、KC135空中給油・輸送機2機、HH60救難ヘリコプター2機と戦術空輸、えん護戦闘(※)、空中給油を訓練した。
※各種の環境下で空輸する輸送機を戦闘機がえん護すること
ベトナム海軍と潜水医学などの知見を共有
◯自衛隊は、ベトナム人民海軍に対し、潜水医学分野のオンラインセミナーを開催した。
このセミナーでは、海上自衛隊の有する潜水医学や潜水艦救難に関する知見を共有したほか、ベトナム人民海軍からも知見の説明がなされ、双方にとって有益なものとなった。
防衛省・自衛隊は「日本とベトナムは『新たな段階に入った日越防衛協力』の下、両国がそれぞれの持つ強みやリソースを活かしながら、具体的な取り組みを進めていくことで一致しており、地域と国際社会の平和と安定に向けて一層積極的に貢献していく」としている。
2022年1月20日(木)
噴火被害のトンガに国際緊急援助を実施
◯防衛省は、火山噴火で被害を受けたトンガ王国に対し、国際緊急援助活動を実施すると発表した。外務大臣との協議を受け、岸防衛大臣が自衛隊に実施を命じた。
自衛隊の活動は以下の通り。
・現地における情報収集・連絡調整のため、オーストラリアに現地調整所を設置し、隊員を派遣
・トンガ王国国際緊急援助空輸隊などを編成し、航空自衛隊C130H輸送機2機による輸送活動を実施
・トンガ王国国際緊急援助活動統合任務部隊を編成し、海上自衛隊輸送艦「おおすみ」(陸上自衛隊CH47輸送ヘリコプター2機を搭載)による輸送活動を実施
岸大臣は、「防衛省一丸となって、被災したトンガの人々のために全力で取り組んでいきたい」と述べた。
トンガ派遣で山崎統幕長が豪国防軍司令官と会談
◯正午、統合幕僚長の山崎幸二陸将は、オーストラリア国防軍のキャンベル司令官と電話で会談し、海底火山噴火の被害にあったトンガへの自衛隊派遣に係る豪州軍の支援について調整・依頼を行った。
両者はトンガの1日も早い復興と持続的な発展のため、日豪が緊密に連携して国際社会と活動していくことを確認した。
日仏「2+2」で防衛協力の強化など議論
◯午後9時30分から11時15分まで、第6回日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)がテレビ会議形式で実施された。
会合には、岸信夫防衛大臣、林芳正外務大臣、フロランス・パルリ仏軍事大臣、ジャン=イヴ・ル・ドリアン仏欧州・外務大臣が出席し、日仏の安全保障・防衛協力や地域情勢などについて議論した。
4大臣は、日仏を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増している中で、日仏間の「特別なパートナーシップ」の重要性を再確認し、両国間の安全保障・防衛協力が近年飛躍的に強化されていることを歓迎した。
また、日仏間の安全保障・防衛協力を一層強化することを確認するとともに、インド太平洋での協力を一段と高いレベルに引き上げ、地域情勢や国際社会の諸課題への対応における連携をさらに促進していくことで一致した。
会合後の共同声明は防衛省のホームページで確認できる。
防衛省・自衛隊:第6回日仏外務・防衛閣僚会合 共同声明(mod.go.jp)
固定翼哨戒機共同訓練(シードラゴン2022)が終了
◯海上自衛隊第4航空群所属のP1哨戒機が参加していた米海軍主催の固定翼哨戒機多国間共同訓練(シードラゴン2022)が20日、終了した。
この共同訓練は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて参加国(日米豪加印韓)の連携を強化するのが目的。訓練は米軍アンダーセン航空基地(グアム島)周辺で1月2日から行われていた。
空自が在外邦人の輸送想定し訓練
◯航空自衛隊第1輸送航空隊の国外運航訓練が1月17日から20日の間、実施された。
東南アジア方面における航空路や地域の特性を把握するとともに、C130H輸送機の運航要員の国外任務遂行能力を維持・向上させ、在外邦人らの輸送、国際平和協力活動などの運航に対応できる態勢を確保するのが目的。
航空支援集団のC130H輸送機1機と隊員約20人が参加し、ブルネイやフィリピンに寄航して訓練を行った。
「青少年のための3自衛隊合同コンサート」公募スタート
◯防衛省は1月20日午後1時から、「青少年のための3自衛隊合同コンサート」の公募を始めた。
コンサートは、東京オペラシティで3月28日(月)から30日(水)の3日間、5回公演の予定。応募受け付けはインターネットで行い、小中高生を優先的に抽選する。締め切りは2月19日(土)まで。
https://www.mod.go.jp/j/publication/ongaku-matsuri/index.html
2022年1月21日(金)
鬼木副大臣、中曽根政務官が硫黄島の部隊を視察
◯鬼木誠防衛副大臣と中曽根康隆防衛大臣政務官は、海上自衛隊硫黄島地区、航空自衛隊硫黄島分屯基地の部隊視察などを行った。
硫黄島には海上自衛隊の硫黄島航空基地隊、硫黄島航空分遣隊、航空自衛隊硫黄島基地隊が所在している。
鬼木副大臣と中曽根政務官は各部隊・施設を視察し、太平洋海域の重要拠点として厳しい環境の中で日本の平和と安全に寄与すべく任務にあたる隊員を激励した。