【2021年12月9日(木)1面】 沖縄地本石垣出張所(所長・長谷3陸佐)は10月28日、竹富町立大原中学校の全校生徒と西表小中学校の5年生以上の児童・生徒を対象に防災教育を行った。自衛隊が同町の学校で防災教育を行うのは、平成31年以来2回目。今年は東日本大震災から10年、明和大津波=メモ参照=から250年の節目となる年で、小中学生に改めて防災意識を高めてもらうのが目的。今年4月には、石垣市立石垣第二中学校でも実施した。

【明和大津波】1771年(明和8)旧暦の3月10日(新暦では4月24日)、石垣島の南南東を震源とするマグニチュード(M)7.4の大地震に伴う大津波によって、宮古・八重山諸島は甚大な被害を受けた。歴史資料によると、多良間島、水納島を含む宮古諸島全域での死亡者数が2548人(八重山を含めた先島全体では1万2000人弱)と記されている。特に宮古島の南海岸に位置する宮国、新里、砂川、友利の集落で、591戸の家屋が崩壊し、2042人が亡くなったという記録がある(宮古島地方気象台ホームページから)。

 教育では、長谷所長が防災の基本について解説。「地域の災害想定について事前に把握し、必要な準備を万全にしておくこと、災害発生時の行動について実際に訓練しておくことが重要」と呼びかけた。

 実習では生徒たちが、けが人の応急処置やロープの結び方、患者搬送など災害に役立つ知識を学んだ。

 教育のまとめとして、災害発生時に取るべき行動をわかりやすく復習する隊員と生徒数人による寸劇もあり、生徒たちから笑い声も起こった。

 防災を学び、寸劇に参加した生徒から「知らないことがあった。ロープの結び方が難しかったが、寸劇によりどのような場面で使えるか学ぶことができた」「災害で活躍する自衛隊の存在の大切さがわかった」などの声があった。

 長谷所長は「自衛隊は平素の準備から実際の行動に至るまで各種災害対処で得た貴重な教訓がたくさんある。少しでも皆様のお役に立てればうれしい。ほかの学校はもとより、地域に貢献できるのであればぜひ、お手伝いさせていただきたい」と話した。

画像: 止血法の要領を説明する様子

止血法の要領を説明する様子

画像: ロープワークの要領を説明する様子

ロープワークの要領を説明する様子


◆関連リンク
自衛隊 沖縄地方協力本部
https://www.mod.go.jp/pco/okinawa/okinawa1/



This article is a sponsored article by
''.