【2021年11月5日(金)2面】 <滋賀>大津駐中部方面混成団(団長・芝1陸佐)は9月9日から15日の間、中部方面指揮所訓練センター(兵庫県川西市)で47普連を防御部隊、49普連を攻撃部隊として、対抗方式による指揮所演習を実施した。
指揮所演習は、想定による時間的、地域的な縛(しば)りを最小限にし、(1)指揮官は任務を達成するために「いつ」「何を」判断しなければならないのか(2)補佐する幕僚活動はどうあるべきか―を学び、体験させるのが目的。
演習は、両連隊とも自由意思で行動するため、敵の企図を予測することも難しい状況だったが、敵の包囲を着破した47普連長は、後方地域に一部の部隊を転用し、新たな縦深を形成した。
こうした防御部隊の行動を予測した49普連長は、連隊のほぼ全力を運用して翼側から攻撃を開始した状況で終了した。
一般的に戦術教育では、状況判断は最良の行動方針を決定するために行うものとして教えられるが、自由意思で行動する敵を前に行うことは難しい。状況によっては、まず大局を判断して行動方針を定め、実現するために必要な処置を決めていくことが求められる場合があることを、演習を通じて体感させることができた。
中方混成団は「これらの教訓は、両連隊の今後の隊務に生かされるだろう」としている。