画像: パプアニューギニア軍楽隊と能力構築支援で交流|陸自中央音楽隊

 【2021年10月20日(水)2面】 陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・樋口1陸佐)は9月10日から10月1日の間、南太平洋の島国・パプアニューギニア(PMG)で「能力構築支援」を行った。2015年(平成27)から同国の軍楽隊に対し、演奏技術指導や楽器整備に関する指導を行っている事業。昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインでの事業継続となっていた。「先生役」の中音隊員たちとの2年ぶりの対面指導に軍楽隊は大喜び。現地では大きな盛り上がりをみせ、中音隊員も2年分の指導で応えるなど、期間中は熱い交流が続いた(写真は陸幕提供)。

隊員5人が演奏技術、楽器整備

 今回、中音隊からは5人の隊員が支援に訪れた。現地では、37人の軍楽隊員にクラリネットや打楽器、トランペットなどの演奏技術のほか、楽器整備の指導も実施した。

 PNGに対する軍楽隊育成分野での能力構築支援は、2015年以降、今回を含めて8回の派遣と5回の招へい事業を実施している。

 能力構築支援 陸自は2012年(平成24)から、東南アジアをはじめとするインド太平洋地域の国々に対し、人道支援・災害救援、国際平和維持活動のノウハウなどの支援などを実施している。「アジア太平洋地域の安定化」を目的に、2010年の防衛大綱に初めて記され、2年後に始まった。特に途上国のニーズが高い。

 陸自によると、中央音楽隊に対しては、2019年(平成31)1月、「日本・パプアニューギニア協会」が、「PNG軍楽隊への献身的な支援は、両国の友好親善関係を著しく前進させた」として感謝状を贈呈している。

 陸幕によると、昨年度は、コロナ禍による渡航制限などで派遣や招へいによる支援事業はすべて延期となり、オンラインを活用した事業を継続してきた。しかし、装備品や資器材を使った実技を伴う課目は、オンラインでの技術の習得には制約があるため、東南アジアを中心とするインド太平洋地域のいくつかの支援対象国から、早期再開の要望が度々届けられていた。

 このため、今回はコロナに係る渡航制限、水際対策の状況などを踏まえながら、参加者全員のワクチン接種、現地での検疫、派遣前・中・後のPCR検査など、感染症対策を万全にして派遣の再開を決定したという。

 派遣中、中音隊員たちの指導に対し、PNG軍楽隊員たちも技術の習得などのため真剣な表情で応えるなど、両国隊員間で友情を深めた。

画像1: 隊員5人が演奏技術、楽器整備
画像2: 隊員5人が演奏技術、楽器整備

記念式典では、指導の成果を発揮

 9月29日には、日本とPNGの相互理解深化・友好親善関係の促進を目的とするNPO法人「日本・パプアニューギニア協会」から軍楽隊に対し、演奏服の寄贈が行われ、式典には中音隊の隊員も参加した。

 式典では、軍楽隊は寄贈された真新しい演奏服に身を包み、これまでの中音隊の指導の成果を発揮。日本に対する感謝の意を込め、童謡「ふるさと」を含む数曲を演奏するなどして式典を彩った。

画像: 記念式典では、指導の成果を発揮

「自衛隊音楽まつり」での合同演奏を目標に継続

 PNG軍楽隊への能力構築支援は、将来的には自衛隊音楽まつりでの合同演奏を目標として事業を継続する予定という。 

 陸幕は「今後も支援対象国のニーズ、コロナの状況などを踏まえながら、派遣や招へい、オンラインの適切な手段により継続し、国際社会の平和と安定に寄与する」としている。

 陸上自衛隊中央音楽隊 公式ホームページによると、1951年(昭和26)6月、陸自の前身である警察予備隊の音楽隊として発足した。

 以来65年以上にわたり、日本を代表する吹奏楽団として歴史を積み重ねてきた。防衛大臣直轄の音楽隊として、国賓・公賓の歓迎行事での特別儀仗(ぎじょう)演奏を延べ100カ国、1400回以上行い、2015年(平成27)、内閣総理大臣「特別賞状」を受賞した。

 国家的行事にも数多く参加。首都圏で開催される定期演奏会や室内楽演奏会、全国各地へのコンサート・ツアーなどのほか、「自衛隊音楽まつり」、陸海空自合同コンサートなどにも出演。また、韓国やフィンランドなどの国際軍楽祭へ参加。米国陸軍軍楽隊・海兵隊軍楽隊、ドイツ連邦軍参謀軍楽隊との共演、ミッドウェスト・クリニックへの出演なども行っている。


◆関連リンク
陸上自衛隊 中央音楽隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/central/band.html/a>



This article is a sponsored article by
''.