第1回の今回は、「オリエント・シールド」について。博士と生徒による対話形式で、わかりやすく解説致します。
今回の解説ワード「オリエント・シールド」
陸上自衛隊と米陸軍が今、大規模な実動訓練を実施しているようだね。ニュースで見たよ。
令和3年度『国内における米陸軍との実動訓練』(オリエント・シールド21)」のことじゃな。6月24日に始まって、伊丹駐屯地、矢臼別演習場、奄美駐屯地、あいば野演習場など各地で実施される。7月9日に終了予定じゃ。
「オリエント・シールド」って、どんな意味?
直訳すると「東洋の盾」という意味になる。つまり、東洋(東アジア地域)において想定されるさまざまな脅威に対し、陸上自衛隊と米陸軍の部隊が「盾」「防御壁」として機能するよう、相互連携要領を実行動により演練し、共同対処能力の向上を図るための訓練なんじゃ。
陸自と米陸軍が共同で行う実働訓練では最大規模だと聞いたよ。
その通り。今回は陸自から中部方面隊、第1特科団、中央特殊武器防護隊などの約1400人、米軍から在日米陸軍司令部、第40歩兵師団司令部、第17砲兵旅団、第28歩兵連隊第1大隊、第38防空砲兵旅団第1防空砲兵連隊第1大隊などの約1600人、合わせて約3000人が参加しているんじゃ。
今回の特色は?
米陸軍ペトリオット部隊が鹿児島県の奄美大島に初展開し、陸自の中距離地対空誘導弾(中SAM)と共同対空戦闘訓練を実施するということで、注目されているんじゃ。また、北海道の矢臼別演習場で行われる、米陸軍の高機動ロケット砲システムHIMARS(ハイマース)と陸自の多連装ロケットシステムの共同射撃訓練も国内で初めてじゃ。
日米同盟にとって重要な訓練なんだね。
陸上自衛隊が掲げる「多次元統合防衛力」の構築においても重要な位置を占め、陸自の領域横断作戦と米陸軍のマルチ・ドメイン・オペレーションの連携要領の具体化も焦点となっているよ。