【長崎】陸上総隊水陸機動団(団長・平田陸将補)の隷下部隊である水陸機動教育隊(隊長・中村2陸佐)は3月10日、相浦駐で水陸両用基本訓練課程(w)の修了式を挙行した。
教育は、水陸両用作戦に必要な基礎的知識・技能を習得させるとともに、同部隊の隊員として必要な資質を養うのが目的。水陸機動団新編(平成30年3月)前の平成25年から始まり、今期で16期目。これまで約1200人が卒業している。今期は1月27日から3.月10日まで約5週間に及ぶ教育を受け、55人が無事に修了。同課程初の女性隊員の修了者も誕生した。
課程を修了したのは、水陸機動団本部付隊の海野梓2陸曹と水陸機動教育隊の平田美早紀2陸曹。両隊員とも子育てをする中での参加となり、教育内容もボートに見立てた約200キロの丸太を担ぐ「ボート体操」や、海上で約4キロをパドルを漕いで進む「漕舟訓練」など、肉体的・精神的に厳しい訓練が含まれていたが、入校前の準備や家族のサポートにより乗り越えた。
海野2曹は「男性に比べて筋力が劣るので不安だったが、子供の励ましや同期とのチームワークで乗り越えられた」と話し、平田2曹は「これから挑戦してくる女性隊員に恥じないよう、水陸機動教育隊の助教として指導にあたりたい」と抱負を述べた。
今後、陸自は令和9年度までに全隊員に占める女性の割合を9%以上に増やす目標を掲げている。
水陸機動団広報班は「今回の2人の女性隊員の教育修了は水陸機動団における女性の活躍の場を広げていく契機となるだろう。母として、陸上自衛官として挑戦する女性隊員の姿を広く知ってもらい、陸自や水陸機動団に興味を持ってもらえればうれしい」としている。