青森駐5普連(連隊長・榮村1陸佐)は1月27日、51回目の八甲田演習を実施した。陸軍歩兵第5聯(れん)隊の遺訓継承と、積雪寒冷地の部隊としてのスキー行進などの練度維持が目的。隊員622人(うち女性8人)が参加した。
24日、榮村連隊長は訓練開始式で、継承すべき遺訓として「積雪寒冷地でのスキー行進能力の維持」「不測事態対処を含めた綿密な計画作成」「部下隊員の確実な掌握と指導」「事態発生時の指揮官の統率の発揮」を挙げた。
隊員たちは、1902年の八甲田山雪中行軍で遭難した山口少佐以下210柱の英霊が眠る幸畑陸軍墓地を参拝。榮村連隊長は英霊に敬意を表し、「5普連に日本を任せられると思ってもらえるような演習としたい」と、墓前で完遂を祈念した。
行進経路は、かつて陸軍歩兵5聯隊が計画した経路の一部で、小峠から銅像茶屋間を往復する約15キロの行程。隊員たちは重さ約20キロの装備を身に付け、約80キロのアキオを曳行し、意気軒昂に行進を開始した。
今年は積雪量が少なく、現地気温0度と天候に恵まれたが、各級指揮官は油断することなく隊員たちの状態を掌握し、常に隊形を維持して進んだ。銅像茶屋に到着した隊員たちは、後藤伍長像に演習の無事を祈願して拝礼。再び小峠を目指して進み、全隊員が無事帰着した。
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青森市八甲田山雪中行軍遭難資料館
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