松本駐13普連(連隊長・岩原1陸佐)は6月28日、松本市上高地の活火山、焼岳(やけだけ/標高2455メートル)の噴火を想定した防災訓練「アルプスレスキュー2019」(焼岳火山防災協議会主催)に隊員約30人を参加させた。訓練には長野県警や市広域消防局、多くの地域住民が参加。
上高地は年間120万人以上が訪れる県を代表する景勝地だが、各種災害による孤立化が懸念されているほか、県近郊では平成26年に御嶽山、29年に群馬県の白根山が噴火し、焼岳も噴火の危険が指摘されているため、昨年からアルプスレスキューを開始した。
今回は天候などにより航空機が使えない場合を想定し、滝ヶ原駐普教連から噴石や火山性ガスの危険がある中でも救助活動の可能な96式装輪装甲車(WAPC)が初めて参加した。13普連隊員は訓練予行日の26、27日の両日、相馬原駐12ヘリコプター隊のUH60とCH47を使用し、患者搬送や被災地の情報収集活動などの空中機動訓練を展示した。28日の訓練は、台風3号の影響で上高地に雨が降る想定通りの状況となった。13普連隊員は、上高地のバスターミナルから噴火の影響を受けないとされる避難地域の坂巻温泉までの約3キロをWAPCを使って患者搬送し、待機する救急隊員に引き継ぐ地上訓練を行った。
隊員の一人は「火山噴火は予知が難しく突発的に起こるものであり、普段から現地をしっかり見て、関係機関との連携を訓練しておくことが大切だ」と訓練継続の重要性を話した。
◆関連リンク
陸上自衛隊 松本駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/matsumoto/eae/13i/index.html
陸上自衛隊 滝ヶ原駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/takigahara/