──自衛官募集サイトには「女性自衛官、活躍中。」というコーナーもありますね。
大堀2佐 自衛隊には女性が活躍できるフィールドがたくさんあるということを伝えたかったですね。
実は女性の方が、問い合わせや応募などの時点ですでに志願意欲や意識が高い人が多い印象があるんです。
もちろん不安もあるでしょうから、このコーナーを見てもらい、少しでも悩みや疑問を解消してもらえたらと思います。
「いろいろ守ってます!私たち『J★ガール』」の動画では、「自分の時間を守る」「子供との時間を守る」など、仕事とプライベートを両立させている女性自衛官の等身大の姿を見せています。
防衛省・自衛隊では、ワークライフバランスと女性職員の採用・登用のさらなる拡大を一体的に推進するため、2015年に「防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取組計画」を策定。育児・介護をしながら活躍できるための環境整備をはじめ、さまざまな取り組みを行ってきた。
産休・育休を含め約3年間休業可能など、仕事もプライベートも大切にしたいという隊員の思いに応える制度が整っている。男性隊員も育児休業取得が奨励されている。
かつて「国家を守る、公務員。」のポスターや動画に出演し、女性が活躍しやすい環境ということを啓蒙した作田さん(ポスター中央手前)も、現在は育児休業を取得中。しっかりと制度を活用し、充実した日々を送っているという。
──女性自衛官の新規採用は自衛官採用者に占める女性の割合を令和 3(2021)年度以降17%以上とすることが目標となっていますが、募集・採用状況は実際どうなのでしょうか。
大堀2佐 目標に向けて採用数は年々増加しており、これに伴い女性自衛官の教育・生活・勤務環境の基盤整備を進めています。
現在、省としてトイレや更衣室、浴場など、隊舎の女性用区画の整備を急ピッチで進めているところです。
そのほか、本年度の防衛関係費では、自衛隊員の生活・勤務環境改善のための自衛隊施設、備品・日用品、被服などの整備を促進する方針が明記されている。
IT化が進む募集・採用業務
──Web広告にも力を入れているそうですが、効果やメリットを聞かせてください。
大堀2佐 平成29年くらいまではテレビCMも放送していたと思うのですが、インターネットやSNSの台頭など、テレビも以前に比べると見られなくなってきた背景もあり、そのあたりからWeb広告の方へシフトしていきました。
ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるリスティング広告や、YouTubeでの広告も展開しています。
また、テレビCMでは視聴者反響の測定ができないというデメリットもありました。テレビCMは確かに多くの人に見られていたと思いますが、「誰が見ているのか」や「CMを見た人が志願しているのか」までは分かりません。
私たちの目的は周知して終わりではなく、そこから何人応募してもらえたかがミッション。数字がすべてです。
Web広告ならクリックされた回数や、広告からサイトに訪れた人が応募完了に至ったことも計測できます。
リスティング広告も「公務員」などのキーワードをよく検索している人へ表示されるようにしたり、ユーザーの位置情報を基にしたジオターゲティングなども活用しています。
──そのほか、どのような施策を行っているのでしょうか。
大堀2佐 自衛官の仕事の詳細、説明会やイベントのご案内、試験などの情報をはじめ、年齢・性別・属性(学年や保護者層など)に応じた内容のメルマガを月に1~2回ほど配信しています。
メルマガを募集対象者の興味に合わせて配信するシステムの導入なども行っています。メルマガですべての情報を伝えようとしても読んでもらえませんし、あまりニッチな情報に偏ってもだめです。どの時期に何の情報を発信していけばよいのかまで考えて配信するのがミッションです。
そのかいあって、おかげさまでメルマガの開封率は50%を超えています。年齢など応募条件を満たしていない人でも、メルマガを通じてじっくりと認知・理解していただければと思います。
興味のある方はぜひご利用ください。
「やりたいこと」がきっと見つかる!
──最後に、これから自衛官を目指す方にメッセージをお願いします。
大堀2佐 特別な人が自衛官になるのではなく、みんな最初は普通の生活を送ってきた高校生や大学生、社会人です。
入隊をきっかけに、さまざまな教育を受けて、人として成長できる。そういう環境が自衛隊にはあるということを知ってほしいです。
やりたいことは自衛隊に入ってからでも探せます。さまざまな役割や職種があるので、入隊後に経理や法務、整備など、「やりたいこと」がきっと見つかるはず。
「成長できる舞台」が自衛隊にはあります!