「援護を援護する」第108号 立ち話の達人になろう

人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム

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自分が身構えて話すと相手も身構える。

もしも部下を持つ方なら相手を緊張させ

ないコミュニケーションをしないと。

ではそのポイントとは?









今号はそれがテーマです。


自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に

従事くださり本当にありがとうございます。

心から感謝いたします。



前回(107号・6/23)は、

自分のことを理解させようというエネルギー

があるのだったら、そのエネルギーは相手を

理解する方に費やしていくべき。理解して

くれる人のために人は動くものなのですよ、

という話をしました。

 

立ち話がうまい人に人は動かされます。

たとえば人を動かすことがうまい人は

廊下での立ち話がうまいものです。

 

上司が部下に何か命令するとき、

「ちょっと会議室に来なさい」

「ちょっと応援室に来なさい」

と呼んで、隠れたところでコソコソ命令する、

これでは人は動きません。

 

廊下ですれ違いざまに

「ああ、悪いけどこうしてくれないか」

と頼むと意外にその人はやってくれます。

 

ところが、いまはどの職場も秘密主義で

密室コミュニケーションになっています。

廊下などでは命令しないし、ダイレクトに

モノを言いません。

立ち話で済むようなことも、なかなか本題を

言ってくれません。

 

「今日、空いてるか?ちょっとランチに行こう」

と言われて、ちょっと値段が高めの店に案内

される。

その時点で部下としては「何を言われるのか」と

思ってもう身構えてしまいます。

それで部下が動くかと言えばそれは逆です。

すれ違ったときに「悪いな。これやっといて」

と軽く言った方が、相手はもっと動いてくれます。

 

「立ち話の達人」になれることが大事です。

立ち話の達人は物ごとを大げさに言いません。

物事をまとめて言いません。

 

命令が下手な人はあれもこれも

まとめて言ってしまいます。

人間は3つ以上言われたらもう何が何だか

わからなくなってプレッシャーを受けてしまいます。

 

一度にまとめて言わずに、小さいことを1つひとつ

言っていくことが大切です。

小さいことを1つひとつ伝えるのは面倒で手間が

かかります。

しかしその手間を省いてしまうと、高いお店で

接待しながらまとめてドーンと吐き出すようなこと

になるのです。

大事なことほど立ち話でするべきなのです。

 















































































































(了)


執筆者:株式会社 求人代表取締役 石塚毅氏

1970年新潟県出身。

前職のリクルートでは年間MVP受賞を

はじめ表彰多数。人事採用のプロ。AC

これまで7000社の採用支援、2万人

以上の個人向けキャリア相談実績あり。

サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を

持つ。