「援護を援護する」第98号 教えてくれないことを学べる人になろう

人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム

セクション画像


教えられた通りに動く、ことが

これまで身体に染み付いているかも

しれません。

でも自衛隊を離れたら本当の意味での

「学ぶ」ことができるかどうかが大きな

分かれ目です。

今日のコラムはこれがテーマです。


自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に

従事くださり本当にありがとうございます。

心から感謝いたします。


さて前回(97回・4/14)は、

だれでも本当はサービス精神があるのですが

その出し方をちょっと知らないだけなのです。

サービス精神の出し方に気づいた人は

後はもう楽ちんです、という話をしました。

 

本当に役に立つものは

教えてくれないものの中にあります。

 

いい歳をした社会人でも、

「それは教えてもらっていないから

できません。」

と開き直る人がいます。

でもこれはできないことではないのです。

 

「世の中」には教えてくれないことが

いっぱいあります。

教えてくれないけれど、

学ばなければならないこと

がたくさんあるのです。

 

何でも教えてくれるというふうに

思い込んでいる頭を

まず改めること。

再就職でもっとも求められることです。

 

「世の中」はだれも何も教えてくれません。

言い換えると

教えてくれるようなことは大抵役に立たない

のです。

本当に役に立つことは、

人が教えてくれないことの中にあります。

 

ベテランの人ですら

「私は聞いてない」

と腹を立てたり、怒ったりする人がいます。

もし聞いていなかったら

聞いていなかったその人自身の責任です。

 

会社ってなんでこんなにおもしろくないんだ。

上司は何でこんなに頭がカタいんだと

怒っている人もいます。

 

今まで何を学んできたのか、ということです。

会社なんておもしろくなくて当たり前です。

教えてくれないことを学んでいくのが学習です。

教えてくれることだけで満足しているのは教育です。

 

もともと会社という組織はおもしろくない。

いろいろ好き勝手なことができないのは当たり前。

上司の頭がカタいのは当たり前です。

 

そんなことを先生はいちいち教育で教えません。

自分から学ばなければならないことなのです。

「それは聞いていない」という言い方は、

結局自分に能力がありませんと言っているに

すぎないのです。

 

誰からも聞いていないけれども、

そこでちゃんと自分の力で学んでいる人は

学んでいます。

その差はほんのちょっとのことです。

気づくか気づかないかで

先へ行って大きく分かれます。

学びは蓄積です。

 

日々の差は、本当に小さいのです。

ところが先へ行ったら

もう取り返しがつかないくらい離れてしまいます。

気づいた人と気づいていない人の差は

明日はまだそれほど差がついていないかも

しれません。

しかし3年経ったらもはや挽回できないはずです。

教えてくれないことを学ぶ。

自分で考える人だけが成功するのです。

 

(了)

 

援護を援護するこのコラムはいつか訪れる

定年後のセカンドキャリアに活かせて、

「使える」再就職・キャリアのポイントを

毎回わかりやすく解説します。

毎週月曜日掲載です。


執筆者:株式会社 求人代表取締役 石塚毅氏

1970年新潟県出身。

前職のリクルートでは年間MVP受賞を

はじめ表彰多数。人事採用のプロ。AC

これまで7000社の採用支援、2万人

以上の個人向けキャリア相談実績あり。

サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を

持つ。