バックしない限り、前にも進めない場面があります。
ビジネスでは「踏ん張り」が失敗を招くことも少なく
ありません。
退職者を生んだ管理職の失敗から見える、
成果を出す人に共通する「後退する勇気」とは何か。
今号はそんなお話です。
バックしない限り、前にも進めない場面があります。
ビジネスでは「踏ん張り」が失敗を招くことも少なく
ありません。
退職者を生んだ管理職の失敗から見える、
成果を出す人に共通する「後退する勇気」とは何か。
今号はそんなお話です。
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
前回(133回・12/15)は、成果が
出ない原因を環境のせいにしがちだが、問題は
自分の視点の曇りにあることが多い。
戦略を変える前に現場と基本を見直せば、
同じ景色でも結果は大きく変わる、という
お話をしました。
バックギアのない車は、どんなに高性能でも
目的地にたどり着けません。
前に進むだけでは、駐車場から出られ
ません。
人生やビジネスも同じです。
常に前進=正解と信じるほど、視野は
狭くなります。
以前、某社の管理職が「退職を考えている
部下を引き留めるぞ」と意気込み、
連日深夜まで説得面談を重ねました。
給料の話、将来の話、根性論まで総動員。
しかし結果は、翌朝その部下から退職届が
メールで届きました。
原因は明白です。
相手が求めていたのは前向きな話ではなく、
「自分の仕事を客観的に見直したい」
という後退でした。
上司はアクセルを踏み続け、部下の逃げ道を
塞いでしまったのです。
その後、その管理職はこの一件から謙虚に学び
方針を転換しました。
無理な引き留めをやめ、まずは柔らかく話を聴く
スタイルに一新したのです。
すると別の若手社員が「話を聞いてほしい」と
相談に来るようになった、とのことです。
後ろに進むことは、負けではありません。
立ち位置を変え、全体を見直す操作です。
ビジネスでは、バックできる人ほど、結果的に
遠くまで進めるのです。
(了)
援護を援護するこのコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞を
はじめ表彰多数。人事採用のプロ。AC
これまで7000社の採用支援、2万人
以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を
持つ