「援護を援護する」第89号 自分でやる前に「どうですか?」と訊かない人になろう

人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム

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新しいこと、自分がやったことがないことを

スタートするのは勇気が要りますよね。

不安なとき、人は他人にアドバイスを

求めたくなるもの。

しかし!それでは成功しないのです。

ヒントは今号のコラムにあります。

 


自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に

従事くださり本当にありがとうございます。

心から感謝いたします。

 


さて前回(88号・2/10)は、

メモや書類は捨てるためにある。

資料やノートはいま読んだら書いたら

捨てる!というつもりで、

捨てることを前提にすることが大切ですよ、

という話をしました。

 

他人に意見を求めてから新しいことを

始めようとする人は永遠に始められません。

 

起業を考えているのですが、どう思いますか?

と相談されることがよくあります。

がんばっている人なら、

いくらでもアドバイスしてあげようと思います。

 

でも相談者の多くは「どう思いますか?」と

言いながら、内容を何も事業計画書に

していません。いきなり、口頭で言います。

 

「こういうことをやろうと思うのです。

これは他がやっていないです。」

と言いますが、ほどんどはどこにでも

あるような話です。

 

事業計画書を用意してきた人に、

これと似たような事業はたくさんあるから、

それとどう差別化するかがポイントですよ

とアドバイスすると、「でも」「ですが」と

いいます。

 

実はもうスタートしていて、

いろいろ問題が起きているんです。

これはどうしたらいいでしょうか、と

相談できる人は、成功できます。

 

成功できない人は、

自分は何も始めていなくて、

こういう起業アイディアはどうでしょう

とばかり言います。

 

何かアドバイスした時に、

何も始めない段階で「でも」「ですが」と

頭の中だけのシュミレーションで

終わっていることがとても多いのです。

 

新しく起業しようとする気持ちは立派です。

でも実際に始めてみて、

実際に起こったことを相談する方が

アドバイスを受け入れられるし

飲み込みも速いです。

 

頭の中や事業計画書だけで

どうですか?どう思いますか?

と訊いて回っても、

いつまでたっても始めない限り

時間がもったいないです。

だからいつまでたっても成功できません。

 

相談に乗ることもできません。

なぜならまだ何も始まっていないから。

いくら言ってもアドバイスが理解できないのです。

 

実際にやってみると、

当たると思ったのに当たらないこともあります。

お客様が来ると思ったのに来なかったり、

似たような類似業種がたくさんあることが

わかります。

 

まずは小さくてもいいから始める。

それからいろいろな人に相談していく、

がベストなのです。

起業に限らず、何か新しい仕事にチャレンジ

する時もこれは同じです。

 

(了)

 

援護を援護するこのコラムはいつか訪れる

定年後のセカンドキャリアに活かせて、

「使える」再就職・キャリアのポイントを

毎回わかりやすく解説します。

毎週月曜日掲載です。

 


執筆者:株式会社 求人代表取締役 石塚毅氏

1970年新潟県出身。

前職のリクルートでは年間MVP受賞を

はじめ表彰多数。人事採用のプロ。

これまで7000社の採用支援、2万人

以上の個人向けキャリア相談実績あり。

サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を

持つ。