【新春特別インタビュー①】統合運用体制は新たな段階へ 内倉浩昭統幕長インタビュー|統合幕僚監部

内倉浩昭 統合幕僚長 令和8年度へ

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令和8年度の展望を語る統合幕僚長・内倉浩昭氏

防衛日報 2026年1月6日付


 令和8年を迎えた。日本を取り巻く安全保障環境は、かつてない速度と複雑さで変化している。中国、北朝鮮の軍事力の増強、ロシアによるウクライナ侵略や中露、露朝の連携強化など、国際情勢の不確実性は一段と高まっている。無人機の大量運用に象徴される新たな戦い方や、長期戦への備えも、現実的な課題として浮上する。

    昨年3月に統合作戦司令部(JJOC)が創設され、自衛隊の統合運用体制は新たな段階に入った。内倉浩昭統合幕僚長は年頭にあたり、安全保障環境や同盟・同志国との連携、人的基盤の重要性などについて丁寧に言葉を重ね、統合運用体制について、さらなる最適化と実効性向上をめざす考えを示した。


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防衛省・幕僚長室で笑顔でインタビューに答える内倉氏


――まず、現在の安全保障環境をどのように受け止め、統幕として重視している点をお聞かせください。


    内倉氏 「わが国を取り巻く安全保障環境は、急速かつ複雑に変化しています。特定分野に限らず、さまざまな分野で加速度的に生じており、情勢を的確に捉えることがこれまで以上に重要です。

 重視しているのは、平素から有事に至るまで切れ目なく事態に対応できる態勢の整備です。自然災害の激甚化・頻発化もみられ、国民の生命と暮らしを守る観点から、自衛隊に求められる役割は広がっています。

 防衛力の抜本的強化を進める必要があり、その中核が統合運用の実効性向上。『統合運用体制の最適化と実効性向上』を目標に、『I』で始まる5つの柱(下表参照)を重視し、隊務運営にあたります」


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   内倉氏が隊務運用に関して大切にしている5つの「I」

――3月で丸1年となる統合作戦司令部ですが、統合運用体制はどのように進展してきたと評価していますか。また、令和8年度に向け、特に注力する点は。


 内倉氏 「実任務や各種訓練・演習を通じ、統合運用は着実に進展していると受け止めています。私が現職に着任した昨年8月以降、『統幕と統合作戦司令部を中核とした統合運用体制の最適化と実効性向上』を目標に掲げてきました。演習などを通じ、指揮官間の認識共有、情報共有が進み、実効性向上につながる教訓を得ていると思っています」


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「自らが丹念に確認することが大切」と語る内倉氏


――2つの組織の連携にあたって重視していることは。


 内倉氏 「第一に、主要構成員の間で信頼関係を築き、円滑な意思疎通を確保することです。統合作戦司令部は部隊の実情に基づく現場の知見を示し、統幕は防衛大臣の意向を含む政策的観点や部隊運用の在り方に関する見解を示す。双方が継続的に意思疎通やすり合わせを実施することが、実効性ある部隊運用体制の基盤になると考えています」


 「第二に、実任務や訓練で得た知見を踏まえ、情報共有の精度向上と業務フローの見直しを不断に行うこと。活発な意見交換が必要です。第三に、防衛大臣の命令が部隊で確実かつ的確に履行されているかを、特に私(統幕長)自らが丹念に確認すること。こうした取り組みによって統合運用体制の実効性を向上させていくことで、陸海空3自衛隊が一体となり、わが国を防衛するための能力をさらに強化していきたいと考えています」


「これらを踏まえ、8年度は無人アセットを活用した防衛能力の強化にも注力します。その一つが、多層的沿岸防衛体制「SHIELD(シールド)」(【メモ①】参照)です。陸・海・空の無人アセットを特性に応じて組み合わせ、統合運用をより一層強化することで、SHIELDを実効的なものとして構築していきたいと考えています」


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【メモ①】

SHIELD(シールド)とは

陸海空の無人アセットを連接させ、沿岸部における警戒監視や対処能力を多層的に構築する防衛構想。


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