忙しさに追われるほど、人は沈まないよう
必死にもがきます。
でも実は、沈むことでしか見えない景色が
あります。ビジネスも水泳も、力を抜いた
瞬間にこそ、本当の浮力が働く、今号は
そんなお話です。
忙しさに追われるほど、人は沈まないよう
必死にもがきます。
でも実は、沈むことでしか見えない景色が
あります。ビジネスも水泳も、力を抜いた
瞬間にこそ、本当の浮力が働く、今号は
そんなお話です。
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
前回(128回・11/17)は、
恥は脳に非常警報を鳴らし、眠っていた
神経回路を総動員させる。失敗の瞬間に
脳はフル回転し、新たなネットワークを築く。
恥は知的成長の契機であり、自らを更新
するリセットボタンなのですよ、という話をしました。
沈まないと、泳げない。
ビジネスでも同じです。
仕事が立て込んでくると、人はつい
「沈んではいけない」と思ってしまいます。
沈むのを恐れるあまり、全身ガチガチに
力が入り、ますます動けなくなる。
プールで溺れかけている小学生の姿と、
会議室で資料を抱えて固まっている大人が、
重なって見える瞬間があります。
私にもそういう瞬間がありました。
まだ若手と言われていた頃の某社での
プレゼンの日。
何とか「沈まないように」と気張りすぎて、
緊張のあまり説明と投影スライドの順番が
すべてズレたまま説明をしてしまいました。
終わったあと先輩に
「石塚、泳ぎ方忘れた人みたいな目
してたぞ」と笑われました。
まさに、力みすぎて沈む典型です。
「うまくいかない時は、力を抜くチャンス」
と言います。あれは本当にその通りです。
プールで沈みかけたとき、水に体を預けると
自然に浮かぶように、ビジネスでも力を抜くと
視野が戻ってきます。
数字に追われて見えなくなっていた本質が、
ふっと浮かび上がる瞬間があります。
沈むのは、終わりではありません。
沈むのは、流れを取り戻すための入口です。
むしろ、沈まない人のほうが危ない。
沈む体験がないと、浮く感覚もわからない。
ミスを恐れて縮こまるより、
一度ドボンと沈んでみるほうが、
よっぽど成長につながります。
ビジネスの世界は、泳ぎ続ける場所です。
うまくいかない時ほど、あえて水に身を委ねて
みてください。力を抜けば、ちゃんと浮きます。
そして気づくはずです。
「沈むことにも、ちゃんと意味があったんだ」と。
(了)
援護を援護するこのコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞を
はじめ表彰多数。人事採用のプロ。AC
これまで7000社の採用支援、2万人
以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を