前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。
2022年2月5日(土)
尾身会長が自衛隊の接種会場で3回目接種
◯政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、自衛隊東京大規模接種会場で追加接種(3回目の接種)を行った。
尾身会長は2回目までファイザーのワクチンを接種しており、今回、モデルナワクチンによる交互接種を体験。2日後、接種後の感想、追加接種の効果、国民へのメッセージなどを動画で発信した。
2022年2月6日(日)
大阪大規模接種会場で編成完結式
◯7日から運用が始まる新型コロナウイルスの自衛隊大阪大規模接種会場で、鬼木誠防衛副大臣の出席のもと、編成完結式が行われた。
同会場では18歳以上を対象とした3回目のワクチン接種を実施し、地方自治体のワクチン接種に係る取り組みを後押ししていく。
防衛省・自衛隊は、「新型コロナウイルス感染拡大に不安な気持ちを抱く国民に少しでも寄り添えるよう、引き続き全力を挙げて取り組んでいく」としている。
陸自水機団が海自と米海軍の共同訓練に参加
◯陸上自衛隊は、日米同盟の抑止力・対処力を強化するため、海上自衛隊と米海軍の日米共同訓練(7日の記事参照)に参加した。
米海軍艦艇への回転翼機による発着艦訓練を実施し、戦術技量を向上させるとともに、日米の相互運用性向上と日米同盟の抑止力・対処力の強化を図った。
訓練には、陸自から第1ヘリコプター団と水陸機動団が参加。第1ヘリコプター団のCH47輸送ヘリコプターが木更津駐屯地(千葉)を出発し、相浦駐屯地(長崎)で水陸機動団の隊員を搭載した後、沖縄周辺海域で米海軍強襲揚陸艦に着艦する南西地域への展開要領を確認した。
2022年2月7日(月)
護衛艦「こんごう」が米海軍強襲揚陸艦と戦術訓練
◯海上自衛隊は2月4日から7日の間、日米同盟の抑止力・対処力を強化するため、米海軍と共同訓練を実施した。海上自衛隊の戦術技量と米海軍との相互運用性の向上が目的。
訓練は東シナ海および西太平洋で実施され、海上自衛隊から護衛艦「こんごう」、P3C哨戒機、米海軍から空母「エイブラハム・リンカーン」、強襲揚陸艦「アメリカ」「エセックス」、ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」、ドック型揚陸艦「アシュランド」「パール・ハーバー」、巡洋艦「モービル・ベイ」、駆逐艦「スプルーアンス」「デューイ」、掃海艦「ウォーリア」、遠征用海上基地艦「ミゲル・キース」、P8哨戒機が参加。各種戦術訓練を実施した。
次期駐日米国大使が岸防衛大臣を表敬
◯岸信夫防衛大臣は、ラーム・エマニュエル次期駐日米国大使の表敬を受けた。
岸大臣は、エマニュエル大使の着任を歓迎するとともに、日米同盟を強化するため、ともに取り組んでいくことを確認した。
岸大臣は自身のツイッターで、「新たに着任されたエマニュエル駐日米国大使と面会し、お祝い申しあげました。自由、民主主義、法の支配等これまで我々が大切にしてきた価値観を、日米両国で守り抜かなければなりません」と述べた。
山崎統幕長がトンガ参謀総長と電話会談
◯統合幕僚長の山崎幸二陸将は、トンガ王国軍のフィエラケパ参謀総長と電話会談を行った。
山崎統幕長は、1月15日に発生したフンガトンガ・フンガハアパイ火山の噴火と、それに伴う津波により被災したトンガ国民に見舞いの言葉を伝えるとともに、現地情報や今後の自衛隊の活動に関して意見交換を行った。
また、1月22日の自衛隊機のトンガ到着の際、フィエラケパ参謀総長をはじめ、トンガ王国首相以下多くの閣僚が日の丸を持って出迎えたことに感謝を述べた。
大阪大規模接種会場の運用スタート
◯午前8時から、自衛隊大阪大規模接種会場(中央区久太郎町2丁目2-8の八木ビル)で3回目のワクチン接種が始まった。
東京の接種会場では、すでに1月31日から3回目接種を実施している。
防衛省・自衛隊は「国民の皆様に安心して接種いただけるよう、官民で協力して取り組んでいく」としている。
大阪2会場の接種能力 1日2500回に拡大
◯防衛省は、鬼木防衛副大臣(大規模接種推進本部長)の下、第5回大規模接種推進本部会議を実施した。
会議では、この日スタートした自衛隊大阪大規模接種会場における接種能力の拡大などについて検討。新たに日経今橋ビル(大阪市中央区今橋1丁目3-3)を自衛隊大阪北浜大規模接種会場として開設し、2月14日(月)から1日あたり1500回の接種能力を確保する。これにより、大阪会場ににおける接種能力は、2会場合わせて2500回に拡大される。
2会場を区別するため、八木ビル(大阪市中央区久太郎町2丁目2-8)に設置している会場については、「自衛隊大阪堺筋本町大規模接種会場」と呼称することを決定した。
2月14日(月)から20日(日)の接種能力を拡大した分の追加予約については、10日(木)午後6時から予約専用ウェブサイトとLINE(ライン)、電話による予約を開始している。
大規模接種会場 初週の接種回数は4248
◯防衛省は、1月31日(月)から2月5日(土)までに自衛隊が東京の大規模接種会場で実施した新型コロナウイルスワクチンの接種回数が4248回だったと発表した。
通常、月曜日から日曜日までの1週間の数字を発表するが、2月6日(日)は移行作業などにより会場を終日閉鎖したため接種を行わなかった。
2022年2月8日(火)
英海軍哨戒艇が北朝鮮の瀬取りを警戒監視
◯防衛省は、国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対して、英国海軍哨戒艦「テイマー」が2月上旬に東シナ海を含む日本の周辺海域で警戒監視活動を行ったと発表した。英国の警戒監視活動は2018年度以降7度目。
防衛省は「北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器およびあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄の実現に向け、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点から、こうした取り組みを歓迎する」としている。
「防衛省設置法等の一部を改正する法律案」が決定
◯岸防衛大臣は閣議後の会見で、「防衛省設置法等の一部を改正する法律案」が決定をされたことを記者に語った。
この法律案は、令和4年度予算案に関連して、宇宙・サイバー領域における体制強化などのための自衛官定数の変更を行うほか、外国における緊急事態に際して防衛大臣が行う在外邦人の輸送の要件などを見直し、自衛隊が外国軍隊に麻薬などに該当する医薬品を譲渡する場合における特例規定の整備、自衛官らがマイナンバーカードを用いて病院などを利用できるようにするための所要の規定の整備を行うもの。
詳細は、防衛省・自衛隊のホームページで確認できる。
https://www.mod.go.jp/j/presiding/houan/index.html
2022年2月9日(水)
空自救難員がベトナムの能力構築支援で現地へ
◯防衛省・自衛隊は、航空自衛隊の救難機パイロットや救難員ら4人を現地に派遣し、ベトナム防空・空軍の要員に対し、航空救難に関する知見共有や実技指導などの能力構築支援を行う。これにより、ベトナムの航空、海難事故への対処能力を向上するとともに、自然災害が発生した場合の対処能力にも寄与する。
9日、岸防衛大臣は、ベトナムのハノイに派遣される航空自衛官をオンラインで激励した。
防衛省・自衛隊 は、「新たな段階に入った日越防衛協力」のもと、能力構築支援を通じて日本とベトナムの防衛協力をさらに発展・強化していく」としている。
支援物資輸送の「おおすみ」がトンガに入港
◯日本時間の正午ごろ、トンガ王国国際緊急援助活動統合任務部隊の輸送艦「おおすみ」が、同国トンガタプ島のヌクアロファ港に入港した。トンガへの海自艦艇の入港は初めて。
「おおすみ」は、8日までにトンガ沖で支援物資の輸送準備を完了し、この日、トンガの人々や在留邦人の出迎えを受けて入港した。
今回の支援物資のうち飲用水については、トンガ政府の検疫終了後、CH47ヘリコプター2機によりトンガ政府からの要望に基づき離島へ輸送。新型コロナ感染症対策などに配慮した受け渡しを実施した。
トンガ支援空輸隊司令のメッセージ動画を公開
◯トンガ王国国際緊急援助空輸隊は、輸送艦「おおすみ」により日本の緊急援助物資の引き渡しの目途がたったことなどを踏まえ、日本国内での待機に移行するため、午後2時ごろ、豪州アンバレー空軍基地を出発した。隊員は帰国後、新型コロナウイルス感染症対策のため、指定場所での経過観察となる。
その間、派遣隊員の声を直接日本国民に届けることが困難であることから、統合幕僚監部は豪州で撮影した空輸隊司令のメッセージ動画を公開した。
2022年2月10日(木)
岸防衛相が東京大規模接種会場を視察
◯岸防衛大臣は自衛隊東京大規模接種会場を視察し、会場が安全・円滑に運営されていることを確認した。
また、会場の勤務員の日々の貢献を労うとともに、引き続き安全なワクチン接種に取り組むよう激励した。
視察後、記者団に対し「円滑に実施されていることを確認した。感染力の強いオミクロン株への対応にあたり、3回目の接種は発症予防と重症化予防の要となる」と述べ、国民にワクチン接種を呼び掛けた。
日米韓の防衛当局が北ミサイル問題で電話会談
◯日米韓3カ国の防衛当局が、閣僚級の電話会談を開催した。
会談には、岸防衛大臣、オースティン米国防長官、ソ韓国国防部長官が出席し、最近のミサイル発射を含む北朝鮮情勢、地域安全保障および3カ国の安全保障協力の強化について議論した。
岸防衛大臣は、北朝鮮の完全な非核化や弾道ミサイルの放棄を検証可能かつ不可逆的な方法で求めるという共通目標の達成に向けて、日米韓3カ国が緊密に連携することの重要性を改めて提起した。
3カ国の閣僚は、北朝鮮の弾道ミサイルの発射は地域の安全保障を不安定化させるとともに、関連する国連安保理決議の明確な違反であると強調した。
3人は、3カ国の安全保障上の協力の重要性を再確認するとともに、将来、対面での日米韓防衛相会談を開催すること、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し3カ国で緊密に連携していくことで一致した。
山村海幕長に「レジオン・ドヌール」勲章
◯海上幕僚長の山村浩海将は、日仏連携強化への功績が評価され、フランスの勲章「レジオン・ドヌール」を受章した。
山村海幕長は「この受章は個人のものではなく、全ての関係者を代表してのものであり、日仏の今後のさらなる関係強化への思いを新たにしました」と述べた。
鬼木防衛副大臣が防衛省の孤独・孤立対策を発表
◯鬼木防衛副大臣は、オンラインで開催された第2回孤独・孤立対策推進会議に出席した。
会議は、内閣府の野田聖子担当大臣が主催。各省の副大臣が、それぞれの取り組みを発表した。
鬼木副大臣は、令和3年12月28日策定の「孤独・孤立対策の重点計画」に盛り込んでいる防衛省・自衛隊の施策を説明した。
防衛省は「全国約25万人の自衛官が孤独や孤立を一人で抱え込まないよう、声を上げられる態勢を作ろうと励んでいる」としている。
墜落したF15戦闘機の回収部品を公開
◯航空幕僚長の井筒俊司空将は記者会見を行い、小松基地(石川県)所属のF15戦闘機が訓練中に航跡消失した件で、回収した部品について説明した。
早い段階で回収されていた外板の一部や救命装備品の一部に加え、水平尾翼の一部やスピードブレーキの一部が回収され、当該機のものと断定された。
また、エンジン排気口の一部と燃料配管も回収されたほか、水中で当該機の主要な構成品を含む機体の一部を確認したと発表した。
2022年2月11日(金)
建国記念の日祝い海自艦艇が満艦飾
◯海上自衛隊の横須賀地方総監部は、建国記念の日を記念して、国旗掲揚とともに満艦飾を行った。
満艦飾とは、建国記念の日、天皇誕生日、自衛隊記念日、観艦式を行う日などに、祝意を表すために自衛艦に自衛艦旗や信号旗などを掲揚するもの。通常、午前8時から日没まで行われる。
11日は前日の雪・雨模様から天候も回復し、鮮やかな満艦飾が青い空、青い海に よく映えていた。