前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします(今週は月曜祝日のため火曜日配信)。

2021年9月10日(金)

陸自中央音楽隊がパプアニューギニア軍楽隊を指導

 ◯陸上自衛隊は10日から、パプアニューギニア軍楽隊に対する演奏技術指導を開始した。国際平和協力活動(PKO)の一環で、2015年から能力構築支援として実施しており、本年度は中央音楽隊の隊員5人が担当する。

画像1: 陸自中央音楽隊がパプアニューギニア軍楽隊を指導
画像2: 陸自中央音楽隊がパプアニューギニア軍楽隊を指導
画像: 陸上自衛隊ホームページより
陸上自衛隊ホームページより

 なお、陸自では、東ティモールでも9日から、東部方面隊と武器学校の隊員16人が測量や施設機械整備、車両整備についての教育を実施している。

画像: 東ティモールでの教育の様子 陸上自衛隊ホームページより

東ティモールでの教育の様子

陸上自衛隊ホームページより

奄美大島沖で潜没潜水艦と中国軍艦を確認

 ◯海上自衛隊は午前、奄美大島(鹿児島県)の東の海域(接続水域外)を潜没潜水艦が北西進していることを確認し、その際、その付近を航行する中国海軍艦艇ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻も確認した。

 当該潜没潜水艦は、その後、奄美大島の東の海域(接続水域内)を北西進し、12日(日)午前には、横当島(鹿児島県)の西南西の海域(接続水域外)を西進していることを確認した。

 防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第1航空群(鹿屋)、第4航空群(厚木)所属のP1哨戒機、第5航空群(那覇)所属のP3C対潜哨戒機、第4護衛隊(呉)所属の護衛艦「さざなみ」、第2護衛隊(佐世保)所属の護衛艦「はるさめ」により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

 防衛省は、「当該潜没潜水艦の付近を中国海軍艦艇が航行していたことなど、それまでに得られたさまざまな情報を総合的に勘案して、当該潜没潜水艦が中国のものであると推定している」とし、防衛大臣が「緊張感をもって情報収集・警戒監視に万全を期すこと」と指示した。

ロシアの潜水艦が宗谷海峡を西進

 ◯海上自衛隊は午前9時ごろ、宗谷岬の北東約75kmの海域を浮上して西進するロシア海軍のキロ級潜水艦1隻を確認した。その後、当該艦艇は宗谷海峡を西進し、日本海へ向けて航行した。

 防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第7護衛隊(大湊)所属の護衛艦「まきなみ」、第2航空群(八戸)所属のP3C対潜哨戒機により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

画像: 統合幕僚監部 報道発表資料より
統合幕僚監部 報道発表資料より

2021年9月11日(土)

岸防衛相が就任後初の外国訪問でベトナムへ

 ◯岸信夫防衛大臣は、就任して初めて外国を訪問し、ベトナムのザン国防大臣と日越防衛相会談を行った。

 会談はベトナム国防省で行われ、両大臣は、両国を取り巻く安全保障環境や近年の日越防衛協力の進展を踏まえ、日越の防衛協力が二国間だけではなく、地域や国際社会の平和と安定に、より積極的に貢献するための「新たな段階」に入ったと再定義し、今後、日越がさまざまなレベルで協働していくことで一致した。

 また、装備品・技術移転に関する協定を締結し、署名式が実施された。

画像: ベトナムのザン国防大臣(左)と

ベトナムのザン国防大臣(左)と

画像: 国防相会談の様子

国防相会談の様子

画像: 装備品・技術移転協定署名式も行われた 写真提供:防衛省報道室

装備品・技術移転協定署名式も行われた

写真提供:防衛省報道室

中国のミサイル駆逐艦など4隻が種子島沖を西進

 ◯海上自衛隊は午前9時ごろ、種子島の東約140kmの海域を西進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、フチ級補給艦1隻、ドンディアオ級情報収集艦1隻を確認した。その後、これらの艦艇は大隅海峡を西進した。

 なお、これらの艦艇は、8月22日(日)に対馬の南西海域で、8月24日(火)に奥尻島の南西海域で確認されたものと同一。ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦は、9月10日(金)にも奄美大島の東の海域で確認されている。

 防衛省・自衛隊は、第1航空群(鹿屋)所属のP1哨戒機、第2護衛隊(佐世保)所属の護衛艦「あさひ」により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

画像: レンハイ級ミサイル駆逐艦(101)

レンハイ級ミサイル駆逐艦(101)

画像: ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(119)

ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(119)

画像: フチ級補給艦(903)

フチ級補給艦(903)

画像: ドンディアオ級情報収集艦(799) 統合幕僚監部 報道発表資料より

ドンディアオ級情報収集艦(799)

統合幕僚監部 報道発表資料より

2021年9月12日(日)

岸防衛相がベトナムのチン首相らを表敬

 ◯ベトナムを訪問中の岸防衛大臣は、チン首相ら政府要人への表敬訪問を行った。日本とベトナムは「広範な戦略的パートナーシップ」を結ぶ関係にあり、「自由で開かれたインド太平洋」を維持・強化する上で重要なパートナーであることから、初の外遊先として同国を選んだ。

 岸大臣は、「新たな段階」における日越防衛協力・交流の方向性とASEANへの貢献について基調講演を行った。

画像: チン首相(右)と会談する岸防衛相

チン首相(右)と会談する岸防衛相

画像: フック国家主席(右)を表敬

フック国家主席(右)を表敬

画像: 基調講演を行う岸防衛相 写真提供:防衛省報道室

基調講演を行う岸防衛相

写真提供:防衛省報道室

ロシア機が知床岬上空で2度の領空侵犯

 ◯防衛省は、午前9時37分ごろと9時58分ごろ、北海道知床岬の領海上空でロシアのAn26輸送機1機の領空侵犯を確認したと発表した。民間機とみられる。

 航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、退去の警告や写真撮影などの対応を行った。

画像: 防衛省発表資料より
防衛省発表資料より

2021年9月13日(月)

首都直下地震を想定し、災害対策本部運営訓練

 ◯防衛省は、首都直下地震を想定した防衛省災害対策本部運営訓練を行った。

 訓練は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いオンラインで実施され、岸防衛相以下、省内幹部が参加。大規模地震発生時において迅速かつ効果的な災害派遣を行うための要領を確認した。

画像: 首都直下地震を想定し、災害対策本部運営訓練
画像1: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

空自が米軍と航空機訓練移転を開始

 ◯航空自衛隊は、北海道の千歳基地で日米共同訓練(航空機訓練移転)を開始した。米空軍嘉手納基地(沖縄)からF15戦闘機とE3早期警戒管制機が参加し、空自と即応態勢・相互運用性の向上を図る。

 訓練は、米軍再編のための日米ロードマップ(H18年5月策定)に基づき、日米間の相互運用性の向上と米軍飛行場の影響を軽減するために行われる。

画像: 航空自衛隊千歳基地ツイッターより
航空自衛隊千歳基地ツイッターより

ワクチン接種、東京・大阪とも前週を上回る

 ◯防衛省は、9月6日(月)から9月12日(日)までに自衛隊が大規模接種センターで実施した新型コロナウイルスワクチンの接種回数を発表した。東京は6万9752回、大阪は3万4361回。東京、大阪とも前週を上回り、合わせて10万回を超える接種となった。

画像2: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

2021年9月14日(火)

海自の海賊対処部隊がイタリア海軍と共同訓練

 ◯ソマリア・アデン湾で海賊対処任務に従事中の海上自衛隊の護衛艦「ゆうぎり」は、イタリア海軍のフリゲート「フェデリコ・マルティネンゴ」とともに日伊共同訓練を実施した。

 訓練はアデン湾で行われ、海自の戦術技量の向上とイタリア海軍との連携の強化を図った。

画像1: 海自の海賊対処部隊がイタリア海軍と共同訓練
画像2: 海自の海賊対処部隊がイタリア海軍と共同訓練
画像: 海上自衛隊ツイッターより
海上自衛隊ツイッターより

陸自のモンゴルでの能力構築支援が終了

 ◯陸上自衛隊は、モンゴル陸軍に対するPKO分野での能力構築支援を終了し、閉講式を実施した。

画像: 閉講式の様子

閉講式の様子

 東北方面隊第2施設団から派遣された9人の教官が、9月3日から道路建設や測量に関する教育を実施。モンゴル国防省からも高い評価を受けた。

 陸上自衛隊は「今後も日本-モンゴル二国間の防衛協力と交流を推進していく」としている。

画像: 陸自のモンゴルでの能力構築支援が終了
画像: 陸上自衛隊ツイッターより
陸上自衛隊ツイッターより

2021年9月15日(水)

北朝鮮の弾道ミサイルが日本のEEZ内に落下

 ◯防衛省は、北朝鮮が午後0時32分ごろと0時37分ごろの2回、内陸部から弾道ミサイルを東方向に発射したと発表した。発射された弾道ミサイルは、従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度(最高高度約50km程度)を変則軌道で約750km程度飛翔し、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定される。

 岸防衛相は、「引き続き、情報収集・警戒監視に万全を期せ」との指示を出し、その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期している。

 防衛省は、「米国などとも緊密に連携し、大臣指示に基づき情報の収集・分析及び警戒監視に全力をあげるとともに、今後追加して公表すべき情報を入手した場合には速やかに発表する」としている。

画像: 北朝鮮のミサイル発射問題で会見に臨む岸防衛相 防衛省・自衛隊ツイッターより

北朝鮮のミサイル発射問題で会見に臨む岸防衛相

防衛省・自衛隊ツイッターより

陸自が過去最大規模の演習を開始

 ◯陸上自衛隊の演習として過去最大規模となる「令和3年度陸上自衛隊演習」が、15日から始まった。演習は南西地域の防衛を想定。部隊の移動など作戦の準備段階における課題を検証し、運用の実効性向上と抑止力・対処力を強化する。この日は、各地の駐屯地で、隊員が資材を車両に積み込むなどした。

 この演習は陸自の全部隊が対象で、後方支援などを含め全国から約10万人の隊員、約2万台の車両が参加する予定。陸自によると、これだけの規模の演習を行うのは平成5年以来およそ30年ぶりという。演習は11月下旬まで行う予定。

画像: 令和3年度陸上自衛隊演習 www.youtube.com

令和3年度陸上自衛隊演習

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2021年9月16日(木)

海自がバヌアツと初の親善訓練

 ◯太平洋島嶼国地域を訪問している海上自衛隊のインド太平洋方面派遣(IPD21)部隊が、13日から16日にかけて、バヌアツで初めて親善訓練を行った。

 海上自衛隊から護衛艦「しらぬい」が参加し、バヌアツ警察海上部隊と訓練を実施。両国は「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、相互理解を深めた。

 防衛省・自衛隊は、「今後もバヌアツとの協力を推進していく」としている。

画像: 海自がバヌアツと初の親善訓練
画像3: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

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