前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。
2021年7月9日(金)
宗谷岬付近でロシアのキロ級潜水艦を確認
◯午後7時ごろ、海上自衛隊は、宗谷岬の北東約35㎞の海域を浮上して西進するロシア海軍のキロ級潜水艦1隻を確認した。その後、当該艦艇は宗谷海峡を西進。日本海へ向けて航行した。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第6護衛隊所属「おおなみ」(横須賀)と第2航空群所属P3C哨戒機(八戸)により、所要の情報収集・警戒監視を行った。
2021年7月10日(土)
海自が日米豪韓共同訓練を実施
◯海上自衛隊は5日から10日の間、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、米、オーストラリア、韓国の各海軍と共同訓練(パシフィック・ヴァンガード21)を実施した。海自の戦術技量の向上と米・豪・韓の各海軍との連携強化が目的。
訓練はオーストラリア東方の海空域で行われ、海自からは護衛艦「まきなみ」と搭載航空機SH60K哨戒ヘリコプター、米海軍から駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」とP8A哨戒機、オーストラリア海軍から駆逐艦「ブリスベン」と潜水艦、P8哨戒機 、韓国海軍から駆逐艦「ワン・ゲオン」が参加。ミサイル射撃、水上射撃、対水上戦、対潜戦、戦術運動・通信について訓練した。
九州南部の大雨に自主派遣
◯早朝、鹿児島、宮崎、熊本3県に大雨特別警報が発令された。都道府県知事からの要請はないものの、自衛隊は現地の被害発生状況を踏まえ、自衛隊法第83条第2項ただし書きに基づき、陸上自衛隊西部方面航空隊(高遊原)、8通信大隊(北熊本)、8施設大隊(川内)、航空自衛隊西部航空警戒管制団 (春日)の隊員延べ約70人を自主派遣した。
隊員は3県において、車両、ドローン、ヘリコプターによる情報収集活動を実施した。
海自がパキスタン海軍と親善訓練
海上自衛隊は、戦術技量の向上とパキスタン海軍との相互理解の深化を図り、パキスタン海軍との親善訓練を実施した。訓練は、パキスタン・カラチ沖の海空域で行われ、海自護衛艦「ゆうぎり」と搭載航空機SH60J 哨戒ヘリコプター、パキスタン海軍フリゲート「アラムジル」と搭載航空機Z9EC対潜ヘリコプターが参加。新型コロナウイルス感染症への必要な対策を行った上で、発着艦訓練を実施した。
2021年7月11日(日)
海賊対処部隊が英空母打撃群と共同訓練
◯派遣海賊対処行動水上部隊と派遣海賊対処行動航空隊は11、12日の両日、英国の空母打撃群(「CSG21」)との間で海賊対処共同訓練を実施した。海賊対処に係る能力の向上と英・米・蘭海軍との連携強化が目的。両部隊は現在、ジブチ国際空港を拠点にソマリア沖・アデン湾で海賊対処にあたっている。
訓練には、海自護衛艦「せとぎり」とP3C哨戒機、英海軍の航空母艦「クイーンエリザベス」、フリゲート「リッチモンド」「ケント」、補給艦「タイドスプリング」「フォート・ヴィクトリア」、米海軍の駆逐艦「 ザ・サリヴァンズ」、オランダ海軍のフリゲート「エバーツェン」が参加し、洋上補給訓練を実施した。
2021年7月12日(月)
米戦略軍司令官が統幕長を訪問
◯統合幕僚長の山崎幸二陸将は、来日した米戦略軍司令官リチャード海軍大将の表敬訪問を受け、会談を行った。リチャード司令官は2019年11月に就任していたが、コロナ禍のため、今回が初めての海外訪問となった。
両者は、地域の安全保障環境や日本周辺の情勢について認識の共有を図るとともに、日米同盟による効果的な抑止力の維持・強化について意見を交換した。また、域内における一方的な現状変更の試みや、核や弾道ミサイルなどによる脅威に対し、地域の平和と安定のために強固な日米同盟の下で必要な抑止力・対処力を強化していくことで一致した。
東京・大阪でワクチン接種10万回超 前週から微増
◯防衛省は、7月5日(月)から7月11日(日)までに自衛隊が大規模接種センターで実施した新型コロナウイルスワクチンの接種回数を発表した。東京は7万2899回、大阪は3万5329回で、前週から微増となった。
2021年7月13日(火)
令和3年版「防衛白書」を閣議報告
◯岸防衛大臣は閣議で、令和3年版の「防衛白書」について報告し、了承された。
白書は、バイデン政権発足後の日米の緊密な連携の推進、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化や、競争が一層顕在化している米国と中国の関係など、令和2年度の内容を中心に、防衛省・自衛隊の活動や国際情勢についての全体像を俯瞰できるよう、多面的に紹介している。
また、国内外でさまざまな活動に従事する自衛隊員の声を多数掲載するとともに、本文に関連した即時再生可能な動画などのQRコードを昨年版から倍増させ、英語動画についても充実させるなど、より分かりやすく、使いやすい内容となっている。
2021年7月14日(水)
熱海の土石流災害で人命救助活動など継続
◯3日に静岡県熱海市で発生した土石流による災害派遣で、自衛隊は14日現在、約910人の態勢で活動を継続している。
この日は被災現場に約400人、重機14両、ドローン3機を投入し、警察・消防と連携して人命救助活動などを実施。午前6時から陸上自衛隊34普通科連隊(板妻)、32普通科連隊(大宮)、第1施設大隊(朝霞)、航空自衛隊中部航空警戒管制団(入間)などの人員約340人が人命救助活動などを行ったほか、ドローン3機による被災現場の情報収取と映像伝送、静岡県庁や熱海市役所、伊豆山現地本部などへの連絡員の派遣を行った。※数値は速報値のため、今後変更される可能性があります。
岸防衛大臣が久里浜駐屯地を視察
◯岸防衛大臣は、陸上自衛隊久里浜駐屯地(神奈川県横須賀市)を訪問し、施設を視察した。また、久里浜駐に所在する部隊の活動状況について報告を受けたほか、所属する隊員などに対し訓示を行った。
2021年7月15日(木)
東京オリンピックでブルーインパルスが展示飛行
◯航空幕僚監部は、東京オリンピックの開会日(23日)に行うブルーインパルスによる展示飛行について、詳細を発表した。
予行演習は20日から22日のうちで1日実施し、本番は下記の経路で飛行する予定。
予行日の決定や、本番の飛行予定時間、天候などによる内容の変更などがある場合は、航空自衛隊のSNSで告知するとしている。
【お知らせ】
次回の配信は27日(火)の朝6:30を予定しています、あらかじめご了承ください