令和6年(2024年)4月6日(土)、大分県の「別府市制100周年記念事業 第110回記念別府八湯温泉まつり」でブルーインパルスの展示飛行が予定されていたが、前日5日(金)の事前訓練(予行飛行)はできたものの、当日本番は天候不良のためキャンセルとなった。
 航空自衛隊70周年となる新年度2024ツアーの皮切りだけにとても残念だ。ブルーインパルスは62km離れた隣県福岡県の築城基地から離陸し、たしかに目の前の別府湾まで来ていた。諦めずに天候偵察して粘ってくれたが、その思い届かず築城基地へ帰っていった。

天候偵察で飛来した5番機(写真・今村義幸)

 ナレーターとして会場に赴いた4番機の佐藤裕介1空尉から、5番機が天候偵察し展示飛行の内容を変更するか中止の場合もあることがアナウンスされたが、誰も帰る人はいなかった。右から一回、少し時間を空けて左から一回、5番機が通過し、雲のある場所や視程を確認していたようだ。ぽつりぽつりと小雨が降り始めた頃に、残念ながら中止が告げられた。

ステージに立ったブルーインパルスのメンバー。左から江尻卓2空佐、佐藤裕介1空尉、村上祐輔2空曹、西海信吾3空曹(写真・浅野委津子)

 ステージには現地に赴いたメンバーが登壇し、次期隊長の江尻卓2空佐からは「また必ず来ます!」との力強いコミットメントがあった。今年度は既に通年でスケジュールが発表されており追加日程は難しいかもしれないが、是非とも来年、再来年の近いうちに大分県での展示飛行を期待したい。
 現地には大分県出身の整備員、西海信吾3空曹も来場したほか、天候偵察した5番機の後席には任期終了間際の総括班長、林幸一郎3空佐も同乗していた。展示記録としては残らないが、大分県出身の両隊員が凱旋したことは末永く地元ファンの記憶に留まるだろう。
 大分県在住のブルーインパルスファン、浅野委津子さんからはステージの写真と共にコメントが寄せらた。

私はファンなので5番機が往復した時に天候偵察だと思いましたが、一般の方にはもう少しアナウンスがあればいいなと思いました。でも、スモーク出して通過した時の歓声が嬉しかった♡友だちは離れたあちこちで待っていたので、天候偵察中というのをLINEで連絡しまくって大忙しでした(笑)

サンフラワーフェリーと豪華客船Riviera(写真・西岡幹宏)

 会場となったスパビーチの並びにはサンフラワーのフェリーふ頭があり、その奥には豪華客船のRivieraも停泊していた。世界的な温泉リゾートだけあって展示会場を含め一円には外国人観光客も多く訪れていた。リゾート地でブルーインパルスが飛ぶ可能性を大いに感じさせるイベントとなった。

別府駅前もイベント会場として盛り上がっていた(写真・今村義幸)

 ブルーインパルスファンネットのFacebookコミュニティーにも予行飛行の様子も含め多くの投稿やコメントが寄せられた。
 前日には会場右手に立つ高崎山を避けて左旋回のデルタ360°ターンを駆使した予行飛行の様子などが投稿されたほか、当日の中止についても安全第一でその判断を尊重するコメントが多く寄せられた。

【写真提供】浅野委津子
【文・写真】ブルーインパルスファンネット 今村義幸/西岡幹宏(@Sky Cloud)

2024ツアーマップ(作成・伊藤宜由)