令和5年(2023年)10月29日(日)、航空自衛隊浜松基地においてエア・フェスタ浜松2023(浜松基地航空祭)が開催された。
 航空自衛隊発祥の地であり、初代F-86Fブルーインパルスの発祥の地でもある。現在も第1航空団や航空教育集団司令部が配置される。ブルーインパルスにとっても総本山と言える浜松基地で、昨年に続き快晴の空の下、ブルーインパルスは第1区分の曲技飛行を展示した。

第1区分の象徴的課目「デルタ・ループ」(写真・伊藤宜由)

 前回芦屋基地航空祭でラスト展示を迎えた5番機江口健3空佐の後任となる藤井正和3空佐が曲技飛行で展示デビューを果たした。後席には江口3空佐が同乗し藤井3空佐のデビューを見届けた。5番機の交代は1番機の交代に並ぶ飛行隊にとってのビッグイベントで、チーム全員でこれを成功させた。

ウォークダウンで展示飛行を開始するブルーインパルスの6名のパイロット(左から1番機・川島良介3空佐、2番機・東島公佑1空尉、3番機・藏元文弥1空尉、4番機・手島孝1空尉、5番機・藤井正和3空佐、6番機・加藤拓也1空尉(写真・伊藤宜由)

 浜松基地所属機からは空自全パイロットのウイングマーク(航空徽章〈こうくうきしょう〉)取得課程を担う第1航空団からT-400とT-4がオープニング飛行を実施し、続いて浜松救難隊のU-125AとUH-60J、早期警戒管制機E-767が展示飛行を実施した。

オープニング飛行を飾った第1航空団のT-400/T-4大編隊(写真・塚田圭一)

 T-400のオープニング飛行はブルーインパルスファンの間でも人気の高い元飛行班長の春山維彦(はるやまこれひこ)3空佐が空自パイロットとしてのラスト展示飛行を迎えた。春山3空佐は平成26年(2014年)春からのメンバーだった。

オープニング飛行を完了しタクシーバックする春山3空佐搭乗機(写真・今村義幸)

大きな機体で悠々とタッチアンドゴーを見せたE-767(写真・塚田圭一)

 地上では浜松基地で整備教育等を担う第1術科学校のF-2とF-15が展示された他、三沢基地から第601飛行隊のE-2D(E-2C/D40周年記念塗装機)も参加した。
 地元幼稚園児がペイントした増槽タンクを装着したT-4やAWACS Jr.の機体も地上展示され、ほのぼのとした空気に包まれていた。

地元幼稚園児たちによるカラフルな絵が描かれたT-4増槽タンク(写真・今村義幸)

T-4の横にはAWACS Jr.も展示され子供たちに人気だった(写真・今村義幸)

エア・フェスタ浜松2023 ブルーインパルス第1区分課目構成

①インディビジュアル・テイクオフ・ダーティーターン
②ローアングル・キューバン・テイクオフ、ロールオン・テイクオフ【同時】
③ファン・ブレイク
④4ポイント・ロール
⑤チェンジ・オーバー・ターン
⑥インバーテッド&コンティニュアス・ロール
⑦サンライズ
⑧バーティカル・クライム・ロール
⑨チェンジ・オーバー・ループ
⑩カリプソ
⑪レター8
⑫オポジット・コンティニュアス・ロール
⑬ダブル・ファーベル
⑭バーティカル・キューピッド
⑮ライン・アブレスト・ロール
⑯360°&ループ
⑰ワイド・トゥ・デルタ・ループ
⑱デルタ・ロール
⑲デルタ・ループ
⑳ボントン・ロール
㉑バーティカル・キューバン8
㉒スター・クロス
㉓タック・クロスⅠ
㉔ローリング・コンバット・ピッチ
㉕コーク・スクリュー

エア・フェスタ浜松2023 ブルーインパルス展示飛行メンバー

1番機 川島良介3空佐(飛行班長)、後席・江尻卓2空佐
2番機 東島公佑1空尉
3番機 藏元文弥1空尉
4番機 手島孝1空尉、後席・佐藤裕介1空尉
5番機 藤井正和3空佐、後席・江口健3空佐
6番機 加藤拓也1空尉
ナレーター 松永大誠1空尉

《取材・撮影》ブルーインパルスファンネット
今村義幸(文)/伊藤宜由/Yuka Miyamoto/塚田圭一