ブルーインパルスが福島の空で飛んだ。福島空港で開催された「空の日」フェスティバルで「ブルーインパルス&室屋義秀エアショー」が実現。令和5年(2023年)9月14日(木)には予備機が単機展開。同機には松島基地でブルーインパルスに体験搭乗したレッドブル・エアレース世界チャンピオンの室屋義秀氏が同乗し、福島県の浜通りを経由しての飛来となった。操縦は総括班長の林幸一郎3空佐が担当した。
15日(金)の予行と16日(土)の本番では、ブルーインパルス本隊が松島基地よりリモートで展示飛行を実施した。松島基地よりの飛来時には福島県の浜通り方面をパレード飛行し、16日(土)には福島空港での展示飛行の最中に中通りをパレード飛行した。会津地方は雲が多く見送られた。
当初、ブルーインパルス本隊も福島空港に展開する予定であったが、天候等の理由により松島基地からのリモート展示に切り替えられた。細部の発表はなかったが、標高372m(1221ft)の福島空港において、気温も30℃に達しており、離陸規定を満たす条件にならなかったようだ。
単機展開した予備機は、16日(土)の帰投が予定されていたが、これも天候理由により翌日に持ち越された。
レッドブル・エアレース世界チャンピオンの室屋義秀氏との共演も実現した。今年4月の岩国フレンドシップデーにおいても同席となった両者であるが、ブルーインパルスが天候不良により中止になり共演は見送られた。その共演が室屋義秀氏の本拠地である福島県で達成された。
林幸一郎3空佐とナレーターを担当した松永大誠1空尉は、室屋義秀氏とともにトークショーに対応し、あらかじめ会場で集められた質問等に回答した。室屋氏はブルーインパルスの編隊飛行のすごさについて等を述べていた。
駐機場の一部を仕切って開催されたイベントは入場者も抽選で限定的なものとなったが、ターミナルビルやイベント会場の一角に設けられた売店コーナーは大変に盛り上がっていた。自衛隊福島地方協力本部もブースを出展し、イベント支援と募集活動を実施した。
ブルーインパルスの福島県での展示飛行は平成25年(2013年)6月1日の東北六魂祭以来となった。
福島空港「空の日」フェスティバル ブルーインパルス展示課目
(松島基地より離陸、浜通り方面をパレード飛行)
①デルタ・ローパス
(須賀川、郡山方面をパレード飛行)
②デルタ360°ターン
③フェニックス・ローパス
④デルタ・ローパス
⑤ビッグ・ハート
⑥720°ターン
⑦レベル・サンライズ
(白河方面をパレード飛行後、松島基地へ帰投)
福島空港「空の日」フェスティバル ブルーインパルス展示メンバー
1番機 川島良介3空佐(飛行班長)、後席・江尻卓2空佐
2番機 東島公佑1空尉
3番機 藏元文弥1空尉、後席・佐藤裕介1空尉
4番機 手島孝1空尉
5番機 江口健3空佐、後席・藤井正和3空佐
6番機 加藤拓也1空尉
地上統制官 名久井朋之2空佐(飛行隊長)
ナレーター 松永大誠1空尉(ナレーションデビュー)
9月24日(日)には鈴鹿サーキットのF1グランプリでも飛行
福島の翌週には鈴鹿サーキットでのF1グランプリで展示飛行を実施した。空自小牧基地からのリモート展示で、最後は航空自衛隊中央音楽隊森田早貴3空曹による国歌独唱に合わせてのレベル・サンライズで締めくくった。平成19年(2007年)の富士スピードウェイにおけるF1グランプリでも展示飛行を予定していたが天候不良により中止になっていた。それ以来のF1グランプリ展示飛行を遂に果たした。
編隊長は福島に続き川島良介3空佐(飛行班長)が務めた。
この展示飛行で、ユーグレナ社のバイオジェット燃料がT-4ブルーインパルスで使用されたことが、同社より発表された。今年1月のB-777政府専用機、6月のF-2戦闘機、F-15戦闘機に次ぐユーグレナ社のバイオジェット燃料の使用となった。
このバイオジェット燃料は、原料に使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂等を使用した純バイオジェット燃料で、原料の植物と藻類が成長過程で光合成によりCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にプラスマイナスゼロとなるという。
2023 FIA F1世界選手権シリーズ Lenovo 日本グランプリレース展示課目
①デルタ・ローパス
②リーダーズ・ベネフィット・ローパス
③グランド・クロス・ローパス
④デルタ360ターン
⑤フェニックス・ローパス
⑥サクラ
⑦ビッグ・ハート
(国歌独唱)
⑧レベル・サンライズ