「技術のブレイクスル―というのは、軍用から民生へ転用させられるのがセオリー」
──今後、ドローンの自動化などへの技術提供や、国防などへかける思いなどをお聞かせください。
幸田 昨年の予算案で「防衛費の抜本的な強化」が打ち出されましたが、予算がついただけではまだ何も始まっていないと考えています。
国防や防衛においては、根本的な部分から変えていく必要があると思っています。では、何を根本的に変えなければいけないかというと、他国を見れば分かりやすいのではないでしょうか。
技術のブレイクスル―というのは、軍用から民生へ転用させられるのがセオリーなのです。ある国のユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業)は、ほとんどこのケースに当てはまります。しかし、今の日本にはその土壌や環境が存在していないように思えます。
画期的な発想や技術というのは、軍事産業からもたらされたというのが昔から現前とあったはず。では、今まではどうカバーしてきたのかというと、平たく言えば3重工(三菱重工業、IHI、川崎重工業)が担ってきたのではないでしょうか。
それに、海外では学術機関が軍事産業と結びついて先端研究などを行い、そこから民生価値のあるものが広がっています。まさに「インターネット」がそうだったと思います。
「防衛がマーケットとして確立されれば、弊社のサービスで勝負したい」
幸田 防衛が「マーケット」として確立することがいま試されているのではないでしょうか。マーケットが輝くから、多くのプレイヤーが寄ってきて、技術的な土壌が厚くなるのです。
そういったマーケットがちゃんと生まれるのであれば、弊社のサービスで果敢に勝負したいと思います。
アメリカでも軍事産業の企業の全てが国を守りたいために取り組んでいるわけではなく、「マーケットの出口が国防になっている」のです。
日本はこの順番を逆にしがちで、「国を守るために霞(かすみ)を食ってでもやってほしい」となってしまっては、仕事でもなんでもなくなってしまう。この現状が続くなら、いずれ厳しい状況になる危険があると思います。
問題は凝り固まったイメージを刷新できるかということです。これからやらなければいけないハードルは、それだけ高いものだと思います。
──xOptを使った将来的なビジョンをお聞かせください。
幸田 基本的には「物を運ぶ」という分野で従事される方に、Webサービスとして利用できるようにするところまでロードマップとして描いています。
物を運ぶという業務はあらゆるところで行われているので、それだけ多くのバリエーションがある。その分野でWebサービスとして使うとなると汎化性を持たせることが重要です。
バリエーション力をつけるため、組み上げなければいけないシステムや考えなければいけない事象がかなり広くなってしまいます。そこをどう折り合いをつけるかが課題ですね。
山田 現在xOptを提供するには、お客様のサーバーに導入をして、運行管理のシステムと連携をしながら運用しているのです。
環境としてはオンプレ(自社内での運用)でもクラウドでも対応できるので、基本的にはお客様の環境に合わせて対応します。
Webサービスでの運用は、契約していれば誰でもブラウザからアクセスすることができ、簡単に自分たちのマップや問題を適応して、計算結果もWeb上ですぐに確認できるサービスを目指しております。
iPXからのメッセージ
幸田 弊社の目的は、製品の強みで生きていくわけでも、「これをやりたい」ということではなく、「お客様の課題を解決すること」です。
その課題はいろいろと変わっていくものなのですが、お客様の課題を解決するために必要な技術提供をしていくのが、われわれの持っているベクトルなのです。
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