昭和基地沖に接岸した「しらせ」
【2023年1月12日(木)2面】 文部科学省の発表によると、第64南極地域観測隊を乗せた海自砕氷艦「しらせ」(艦長・波江野1海佐)が12月24日午前11時21分(日本時間=同午後5時21分)、南極昭和基地の沖合約260メートルの定着氷に到着し、昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たした。
同省によると、64次隊は新型コロナウイルスの感染防止を実施しつつ、オーストラリアに寄港。物資や燃料を補給後、南極に向かった。接岸までは、おおむね計画どおりに進捗(しんちょく)しており、往路におけるラミング(勢いをつけて氷に乗り上げ、船体の重さで氷を砕いて進む砕氷行動)回数は535回だったという。
南極地域観測隊は、1年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地への搬入を行っており、予定どおりに輸送が完了すれば、2月1日に第63次越冬隊と交代して第64次越冬隊が1年間の越冬観測を開始する。
野外観測支援など実施中
「しらせ」は、昨年11月11日に東京国際クルーズターミナルから昭和基地に向かって出港した。海自は協力事業として「しらせ」に乗艦、艦上観測支援、野外観測支援、基地設営支援などにあたる。
「しらせ」は4月10日に日本に帰港する予定。
クローズアップ 艦内外
日本を出港して1カ月余り。クリスマスイブの12月24日、「しらせ」が南極昭和基地沖に接岸した。統幕、海自ツイッター、海自ホームページなどには、日々の任務や基地に近づくにつれて広がる氷の世界の様子、艦上での隊員たちの表情などが映し出されている。統幕ツイッター、海自ホームページから紹介する。